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私だってずっと…
なんでそういう事されないんだろう？とか思ってたし、旅行でそうなる事に覚悟はしてた。
だから翔さんがそういう気持ちで私を誘うのが嫌なんじゃなくて…
逆に、自分が求められてるんだって嬉しいんだけど…。
「A？悪かった。もうしないからこっち向いて？」
甘やかすような優しい声が耳元を掠めるけど、私が一向にそちらを向かないから痺れを切らしたのかほっぺに手を添えられクイッと翔さんの方を向かされる。
泣きたいような…
でも泣きたくないような…
複雑な気持ちが余程、表情に出てたのか私の顔を見るなりわかりやすく焦った。
「ちょっ…A？ごめんね？俺が言いすぎた。旅行まで待つし…とにかくごめん！」
私より泣きそうな翔さんは、私のほっぺを指の背であやすようにゆるりと撫でる。
「ち…違う…の。」
「うん？」
「あ…あの…ね？」
「うん。」
「し…下…着。」
「うん？」
私が翔さんの発言で機嫌を損ねたんではないと悟ったのか、不思議そうに相槌を打つ。
「下着が…。」
「は？」
「今は下着が見せる為の下着じゃないので今は嫌です！」
息継ぎもせずに早口でそう言うと、半分口を開けてポカンとする翔さん。
「あの…その…しょ、勝負下着？って言うのを人生で初めて買ったのに…量販店のワイヤレスブラで…しかもベージュで…そんな下着で初めてなんて嫌です！」
「…。」
ポカンと口を開けたままパチパチと瞬きを繰り返す翔さんは何を思うのか不安になって…
「私は大人っぽい黒がいいなって思ったのに、山岸さんが翔さんみたいなおぼっちゃまタイプは白がいいってアドバイスくれて、相葉は相葉でピンクが似合うって…。」
「…。」
「で、でも！私なりにすごい悩んで『もういい、わかった』」
矢継ぎ早に話す私をギュ〜ッて抱きしめると、
「あ〜！もう！なんでそんな可愛いんだよ…。」
乱暴に言い放つ。
「うん？」
「俺に見せる為の下着…選んでくれたの？」
「…ん。」
「俺はぶっちゃけ下着よりも中身の方に興味あるんだけどな。どうせ下着なんてすぐに脱がすんだし。」
右手は私をギュ〜ッてしたまま、大きな左手が私の貧相な胸を包む。
「！！」
「でもせっかく俺の為に選んでくれたんだし、下着もこの中身を見るのも旅行まで楽しみに取っとくよ。」
耳元で低く囁き、そのまま耳にチュッとキスを落とした…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2018年4月17日 19時
