１０４ 〜S〜 ページ24
Aをしっかり抱きながらキスを繰り返し…
合間に少しだけ唇を離すと、不慣れなAが一生懸命に息継ぎをする健気さがまた可愛いくて…
結局、奪うように再び唇を重ねてしまう…。
少しだけ開いた唇の隙間にそっと舌を忍ばせると、わかりやすくビクリと身体を震わせる。
こういう舌を絡ませるようなキスは、もっと不慣れで…。
Aの口内を舌先でなぞり、弄びながら薄っすら目を開くと、眉間に皺を寄せてついてくるのに必死…
でもどこか妖艶で悩ましげで…
少しだけAに体重をかけて、身体は腕でしっかりと支えながらゆっくりとソファに押し倒した。
チュッとリップ音を奏でながら唇を離すと、潤んだAの目が俺を見上げていて。
可愛いその目の目尻にチュッとキスを落とすとコツンと額を合わせた。
うるうるとした俺を見上げる目…
俺の唇を掠める甘く乱れた吐息…
いつもよりも熱い額…
Aの全部が俺を欲しがってるとしか思えず、俺はどうしょもなく煽られ、理性で必死に抑えてた箍はもう外れる寸前。
Aお仕置きしてたつもりが、かえって仇になって自分に返ってきた。
自分で自分の首を締めてどうするよ…俺…。
「そんな目で見るなよ…。」
「…どんな…目…？」
「俺に抱かれたいって言ってる目。」
「そ、そんな目してないもん//」
その恥じらったウブさがダメなんだよ…
可愛くってたまんねぇの…
いい加減、わかってくれねぇかな…。
「してる……旅行まで我慢しなくても…いい？」
「…ダメ。」
「なんで？俺に抱かれるのはもう決定事項なんだし…もういいじゃねぇか…我慢できねぇんだ…。」
早いか遅いか…
最終的に同じ結論ならもう場所とかそんなのどうでもいい。
今、欲しい…
今、抱きたい…。
顔を少しだけ傾けてAに近づけると、プイッとそっぽ向き『ダメ』と言う。
あからさまに避けられて、ちょっぴりショックよ？翔さんは。
「何で？お前、俺の婚約者だろ？別にいいじゃねぇか。誰でもしてる事なんだし。」
不機嫌さが口調にモロ出て、しまったと思ったけど既に遅しで…。
俺の下にいるAがソファの背もたれの方に身体を向けてしまった。
「あ、いや…。ごめん…。」
沸騰寸前の身体は、急転直下で冷んやりと冷めていく。
「ごめん。言い過ぎた。」
１０も歳上の俺が余裕ないなんてガキすぎる…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2018年4月17日 19時
