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相葉にならともかく、翔さんに何て事を言ってしまったんだろう。
恥ずかしくて穴があったら潜りたい…
と、言うか穴が無くても掘ってまで潜りたい気分…。
でも翔さんは驚いてはいたけど、そこを気にする素振りも見せずに淡々と話しを進めていく。
やっぱり大人だなぁって…
経験のない私は、その単語を言うのにも恥ずかしくて躊躇してるのに…。
そんな大人の翔さんが、私で本当にいいのかなぁとまた不安になる。
だけど、ゆっくりゆっくり頭を撫でてくれる手が優しくて抱きしめてくれる腕もあたたかい。
「大丈夫。お前が何を言っても俺の気持ちは絶対に変わらないよ。」
チュッとこめかみにキスをして、耳に唇をくっつけたかと思ったら…
「Aが…Aだけが大好きだ。俺を信じて？」
って囁かれる。
上手く恋愛できない子供でごめんなさい…。
「翔さん…。」
「うん？」
「『みか』さんって…誰ですか？」
「うん？『みか』？って…。あぁ…それは…。」
「『みか』さんはおうちに入れて私はダメで…つまり私は子供過ぎるから翔さんはそういう気持ちにならなくて、過去の女性に嫉妬なんかして勝手に落ち込んで泣いてて、そんな私……知られたくなくて…。」
この期に及んで、翔さんのお話を聞いて現実を知りたくなくて早口で支離滅裂に話す私はみっともなくてバカみたい…。
こんな私だけど見捨てないで？ってギュッて力いっぱい抱きつく。
「A？」
予想に反して翔さんの声は優しい。
子供すぎる私に呆れたようにため息をつかれて、めんどくさそうに説明されると思ってた。
「はい…。」
「まず、美華は潤の姉貴だ。」
「……はい？」
「お前、どこでその名前知った？」
「潤さんに翔さんの部屋にりんご持って行って？って言われて…翔さんが目を覚まして『みか…水も頼む』って…。」
「あぁ…。それは俺が悪いな。それからずっとひとりで抱えてたのか？」
「翔さんは大人でカッコいいし、過去にお付き合いしてた女性がいても不思議じゃないし…。当然、身体のお付き合いもあってお家にも入れて…。」
「でも自分は違うって…？」
「はい…。」
はぁーっと大きなため息をついて翔さんは『んだよ…俺が悪いんじゃん』って耳元でボソッと呟いた。
「事の顛末はわかった。今から説明するけど聞いてくれるか？」
そっと私から離れた翔さんの目が罪悪感でいっぱいだった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2018年4月17日 19時
