後の祭 ページ7
目が覚めたとき、僕は中兄に負ぶわれていた。
『・・・中原・・・』
「目が覚めましたか」
『意識あるの?中原、暴走したはず・・・』
「暴走したのは貴女です。」
『え・・・』
ああ、思い出した。
何だか無性に悔しくなって・・・
体中から黒い靄が・・・
『暴走・・・したんだ・・・』
「・・・悪い夢でも見てたんですか。魘されてたし、泣いてましたよ。」
『・・・・・・あのね、この抗争が夢だったらいいのにって、ずっと思ってた。』
また、涙が溢れる。
それが中兄のうなじに落ちて、そのまま肌を伝っていくのを黙って見ていた。
_________あのとき、鬼ごっこがなかったら。
もっと甘えられたのかな・・・?
毎日「中兄」って呼んで、甘えて、一緒に仕事して・・・
僕のことも、「尾崎幹部」じゃなくて、「A」って呼んでくれてたのかな?
何時になっても慣れないこの感覚に、
目の前にいるのに気づいてもらえないこのもどかしさに、
逃げ続ける僕を、中兄は永遠に捕まえてくれないのではというこの恐怖に、
嫌気が差して、
何度も死のうとした。
でもその度に、中兄が居て。
毎回説教を喰らって。
_________だったらさっさと捕まえろよ。
怒りさえも湧き上がって来る様だった。
____中也の部屋____
尾崎は移動中に体力の限界のため、寝てしまった。
尾崎をベッドに寝かせ、自分は部屋を出る。
『___中原。』
「幹部!起こしてしまいましたか?」
『ううん、別に。』
「疲れてるでしょうから寝てて下さい。」
しかし、一向に横になる気配がしない。
「・・・なにかして欲しい事でも?」
『えっと、その・・・』
「いいから言って見て下さい。」
多少の殺気を含めていうと、尾崎はすこし怯えた様になった。
『あの・・・・・あ・・たい・・・』
「は?」
『あ、甘えたい・・・』
・・・中也は思わず噴き出しかけた。
マフィアの幹部ともあろう少女が「甘えたい」?
「所詮11歳の娘なんだな。」
『・・・だって眠れないし、今は幹部じゃない。』
頬を膨らませる尾崎に歩み寄って、ベッドに座ると、
早速抱き付いてきたw
その身を完全に中也に委ねている。
そっと、中也は頭を撫でた。
そしたらまた泣いた←(笑ァ!)
油断したら落っこちそうなので、中也は落とさない様に必死だったwww
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枯百花無常白谷奇譚(ルイネ)(プロフ) - リュカさん» 逝ってらっしゃい (2018年8月18日 12時) (レス) id: effc5cebea (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 枯百花無常白谷奇譚(ルイネ)さん» また時間ができたら見てきます! (2018年8月18日 12時) (レス) id: 7e46b4dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
枯百花無常白谷奇譚(ルイネ)(プロフ) - リュカさん» 描いた、とりま設定だけだけど (2018年8月18日 11時) (レス) id: effc5cebea (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 枯百花無常白谷奇譚(ルイネ)さん» ワクワク (2018年8月18日 11時) (レス) id: 7e46b4dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
枯百花無常白谷奇譚(ルイネ)(プロフ) - リュカさん» 頑張ってます (2018年8月18日 10時) (レス) id: effc5cebea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chizome | 作成日時:2018年4月29日 17時