ep.79 ページ31
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人気の少ない渡り廊下まで歩き、セドリックはゆっくりと立ち止まってAに向き直った。
「あの…僕とダンスパーティーに行ってくれないかな」
Aは一瞬何を言われたのかわからず顔を顰め、その意味を理解した瞬間、よりいっそう眉間に皺を寄せた。
「それどんな冗談？笑えないわ」
「冗談なんかじゃない、すごく本気」
大真面目な顔をするセドリックに、Aは激しく首を横に振った。
「じゃあなおさら悪いわ！代表選手のパートナーが死喰い人なんて」
「君は死喰い人じゃないだろ」
「私やあなたがそう思っていても、世間は違うでしょう」
セドリックはムッとした顔になった。
「ウィーズリーはいいのか？」
「あの人は頑固だし……それにだから、私フレッドの恋人なのよ、知ってるでしょう？」
「僕も頑固さ、それにさっき、まだ誘われてないって言っただろ？じゃあ僕にもチャンスをくれないかな」
Aが顔を顰めて「何の？」と尋ねると、セドリックは「君のパートナーになるチャンス」と小さい子を諭すような声で答えた。
「だから＿＿＿」
「4日前までにパートナーが見つからなかったら、僕にチャンスをくれ」
Aが言い返そうとすると、セドリックはそれを遮って繰り返し頼み込んだ。
真っ直ぐな眼差しに負けそうになり、「私、パートナーはいらない」と絞り出すと、セドリックは途端に嬉しそうな顔になった。
「じゃあ僕と行ってくれる？」
「もう、埒が明かないじゃない！」
セドリックは朗らかに笑って、「それまでに彼に誘われたら遠慮なく断ってくれていいから」と言い、話が平行線で終わりが見えないことにため息をついたAは根負けし、「わかった、4日前までにフレッドに誘われなかったらあなたとパーティに行くわ…」と額に手を当てて答えた。
「完璧、最高だよありがとう」
セドリックは嬉しそうに言って、軽やかな足取りでAを寮まで送り届けた。
談話室でAの帰りをどきどきしながら待っていたハーマイオニーとジニーに腕を捕まれてほぼ定位置と化した端のソファに連れていかれると、二人は目を輝かせて、しかし厳しい口調で「断ったんでしょう？」と言うのだから、Aは思わず笑ってしまった。
「断ったわ、何回も断ったんだけど…彼も大概頑固ね、4日前までにフレッドに誘われなかったら僕と行って って」
「それで…行くの？」
「誘われなかったら行くんじゃない…現実になりそうでちょっと怖くなってきたところよ」
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
