ep.60 ページ12
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「クラム？じゃあ今から行くのはクィディッチの……」
勢いよく振り返ったジニーの口を塞ぎ、Aは口の前で人差し指を立てた。
「パパさんがあなた達をびっくりさせようと思って内緒にしてたの、聞かなかったことにして」
ジニーは頷いたが、足取りが嬉しさを隠しきれていない。
この世で一番愛おしいものを見るような目をしたAを見つめ、フレッドはふてくされたような顔をした。
小高い丘を登ると、小さな片方のオンボロブーツが頂上に置いてあった。
「これ何？」
「
「ええ……」
フレッドがAの手を引いてブーツの踵の部分に指を触れさせ、その上から自分の手を重ねた。
ちょっと と文句を言おうとして振り返ったとき、ぐるぐるとブーツを中心に回転を始め、Aは悲鳴をあげた。
「手を離して！」
「嘘でしょ！？」
アーサーにAとハーマイオニーが叫び返すと、フレッドが手を握ったままブーツから指を引き離し、Aは悲鳴をあげながら宙に放り出された。
「……ちゃんと食ってるかA……羽かと思ったぜ……」
「それはどうも……」
ハリーたち五人は地面に転がったが、Aはフレッドがクッションになったため無事で、優雅に歩くように降りてくるセドリックと大人二人を恨めしそうに眺めた。
フレッドに押されるようにして立ち上がると、ほんの数歩先では箒で飛び交う人々や、たくさんのテントが立ち並んでいた。
「クィディッチ・ワールドカップへようこそ！」
「最高！見てよA！」
顔面を赤と黒に塗り潰した人を指さし、ジニーが笑う。
ハリーとロンはアーサーが内緒にしていた甲斐あってか、ひどく興奮している。
いつの間にかセドリックたちとは別れていたが、そんなことを気にする暇もなくあちこちを指さして笑うAの髪に、フレッドはそっとキスを落とした。
所狭しと並ぶテントの中からアーサーがねずみ色のテントの入口を広げ、Aたちは腰をかがめて中へ入った。
外側からは想像もつかないほど広い中には、キッチンや家具、人数分のベッドやソファなどが並んでいてAはハーマイオニーたちと手を取り合って歓声を上げた。
「すごいわ！私このベッドにする」
「じゃあ私はその隣」
「私はその隣ね」
荷物を置くと三人はすぐにテントを飛び出て、ショップで帽子やマフラーなどを買った。
Aはなにやら顔に絵の具を塗りたくっていた双子のためにも同じものを買ってあげた。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
