きっとこのままじゃいられない…2nd

本気で ページ37

『お兄ちゃん
うみがいるから大丈夫だよ』

『だから
泣いてないって』

オレは涙を拭いて

『ほら もう
うみも起きろよ』

うみを抱きしめてる
腕を解いて部屋を出た

はぁー
うみのくせに…

オレは結局
昔っからあいつに
弱いんだよな

オレの負けだよ うみ
降参だ…

でもまだ…言わない…

覚悟は決めたけど
これから先
どうなってくのか
全然わからないし

父さんや母さんにも
いつかは言わないと
いけなくなる…

その時は
絶対 反対されるよな

それでもオレは

うみとずっと一緒に
いたいって思うから

うみも 覚悟しとけよな


オレはそれからも
普通に毎日を過ごして

そして
今日はオレの誕生日

朝 起きると
うみがすぐ部屋に来て

『お兄ちゃん
お誕生日おめでとう』

って言ってくれたんだ

昨日からずっと
そわそわしてる
うみがかわいくて
自然に顔が綻ぶ

『うみ ありがとう』

『お兄ちゃん今日は
絶対 遅くならないでね』

『ああ わかってる』

オレはうみの頭を
撫でながら部屋を出た

夜はきっとオレの
好物ばかりテーブルに
並ぶんだろうな

そんなことを思いながら
学校に行く

Aちゃんは
紫耀と順調だし

オレだってやっと
答えを出した

うみとのことは
まだまだ
これからだけど

焦らず大事に
していきたいんだ

まだオレの中では
うみは妹なんだよ

でも 誰にも
渡したくないし

オレだけの胸に
抱きしめて一生
離したくないんだ…


放課後

オレは友達の誘いを
断っていつもより
早く家に帰った

ドアを開けると
うみが奥から
パタパタとかけて来る

『お兄ちゃん お帰り〜』

『ただいま うみ』

うみは
オレの手を引きながら
嬉しそうに笑ってて
オレも自然と笑顔になる

リビングのドアを
開けるとテーブルには
オレの大好物が並んでた

『うみもいっぱい
手伝ったんだ
全部 お兄ちゃんの
大好きなものだよ』

『母さん うみ ありがと』

テーブルを囲んで
みんなで美味しい
料理を食べて

その後出てきた
手作りケーキには
うみが描いたらしい
ハートと優太 大好き
っていう
メッセージがあって
オレは 思わず
ジュースを吹き零した

は？マジか…うみのやつ
何 描いてんだよ

少し変な汗をかきながら
オレはロウソクを
ひと息で吹き消した

『お兄ちゃん おめでとうー』

こうやって
家族みんなに
お祝いしてもらうとか
ほんと幸せだなって
思うけど

でもきっとこのままでは
いられなくなるんだ

オレはうみと
本気で恋するって
決めたんだから…

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