The Crow's Dream 4 (ページ15)

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馬鹿だからねページ15

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「チ、シヤ…？」

「答えてよ、A」

耳元で囁かれればひとたまりもない。
ひゃ、と声を上げながらチシヤ、と呟くことしか出来ずに居たら、ふ、と雰囲気を変えた彼がおもむろにベッドから降りる。

「…え？」

「なんてね。これに懲りたら、気軽に男を部屋に入れちゃダメだよ」

Aは警戒心が薄いからね。
ポケットに手を突っ込みながらそう言う彼。
じゃあ、部屋を見つけてくるから。
歩き始めた彼の手を取ったのは、私。
今度は無意識なんかじゃなくて。

「…だからだよ」

「え？」

「チシヤ、だからだよ」

怪訝そうな顔で聞き返したチシヤにそう言うと、無表情の奥にまた感情がチラつく。
馬鹿だね。
そう呟いた彼は少しだけため息をついて私をベッドに押し倒す。

「本当に馬鹿。」

「バカバカ言わないでよ…」

「馬鹿だからね。」

さらり。
顔に着いた髪の毛を流す彼の手付きにドギマギしてしまう。

「こんな男に引っかかるなんて」

さらさら思ってなさそうな声音でそういったチシヤは、私が反論しようと口を開いた瞬間にキスを落とす。
まるで何も聞きたくないように。
自分勝手なキスはどこまでも優しくて、私たちはひとつに溶け合う様に優しく抱きしめ合った。