12錠 ページ10
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「上行こうか」
食料庫から誰も居なくなったのを見計らったチシヤさんが椅子を引く。
ここがあまり好きじゃないのか、「そうだね」とイッペーくんも彼に続いた。
「A？」
着いてくるものだと思っていたのか、チシヤさんが猫目で私を振り向く。
「大丈夫です。」
「…そっか。」
思うところがあるのか、私にマークを伝えるだけ伝えて食料庫の扉を開ける。
「あ、チシヤさん」
ん？と振り向く彼に、「ダイヤ」と一言。
頭がいいのだろう。察した彼は、「信用してくれる気になったんだ」と口角を上げた。
…後ろを向いて、振り返らずに食料庫の扉を閉める彼。
その首輪には、ダイヤのマークが表示されていた。
1人になった地下室で、不意に心臓が痛み出す。
頭だけじゃなく心臓にも不備が出るようになったのか、と顔を顰めながらポケットから錠剤を取り出した。
…苦しい、母親のことはもう吹っ切れたのに、痛みが引かない。
思い切って12錠手のひらに乗せ、無味のそれを噛み砕く。
水がないとさすがに無理か、と痛む頭と心臓を押えながら何とか棚に着き、物を倒壊させながら常温のそれを握りしめる。
飲み込みながら「治まれ」と念じれば少しだけマシになる。
何だか酷くなっている痛みに、徐々に思考が霧に包まれるような感覚がした時だった。
ガラガラ、とドアの音がする。
錠剤が詰められた小瓶をポケットに隠しながら、振り向く。
「忘れ物ですか？チシヤ…さ…」
そこに立っているのは、バンダさんと吉塚さんだった。
本能が理解する。
なんだか危ない。
バンダさんは微笑んでこちらをみつめ、「僕は何もしないよ」というように手をヒラヒラさせる。
吉塚さんは、ペアを組んでいる後藤さんを置いてきたのかやけに青白く血走った顔でこちらを見ていた。
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みりん(プロフ) - がんもえさん» クイナとアンのペア、すごく好きです(；；) ただ、スペードのキングのゲーム後にクイナに冷たい態度を取っているので…仲直り出来るのか( ›_‹ ) (2023年2月7日 0時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - おむらいすさん» お母さんと交代してもらいました！暫くチシヤのターンですのでお付き合い下さい( ◜ᴗ¯)🤝(¯ᴗ◝ ) (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - らむねさん» 実は、参加しないのです！やっぱりこのゲームは残酷なので、2人とも生き残るのは違うかなと¯֊¯⋆꙳ (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
がんもえ(プロフ) - 別のゲーム会場で誰かと会うのかな！クイナとかアンに会って欲しい……… (2023年2月6日 23時) (レス) @page41 id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - dさん» そうなんですよ…( -᷅ ̫̈-᷄ )𐑲𐑲𐑲 チシヤと鉢合わせてしまうのか、ご期待ください✨️ (2023年2月6日 23時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年2月1日 23時
