18話 ページ21
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今日は特にやることもないので、なんとなく中庭に来ていた。
ここは日があたるから気持ちいいし。
ベンチに腰掛けると、バタバタと足音が聞こえてきた。
よーく見てみるとラギーとエーデュース、グリムが何やら言い合いをしていた。
『ねえねえ、何してんの?』
「えっ、Aさん!?」
ちょっと気になったので、ラギーの前に立ち、首を傾げて言った。
するとラギーはボクにぶつかる寸前で止まった。
「あっ!A先輩ちょっと聞いてくださいよ!コイツ……ふぁっ、フガフガ!」
エースが何か言おうとしていたのをラギーが口を塞いで止める。
えっ、なになにどゆこと?
「オレのことより!Aさんは何してたんスか?」
『ボクは日向ぼっこしてただけだけど……。エース、苦しそうだから離してあげなよ。』
「うっ……Aさんの頼みとあらばしょうがないッス……。
美しくてこんなヤツらにまで優しいなんて、やっぱりAさんはオレの____」
最後の方の言葉が小さくてよく聞き取れなかったけど、とりあえず離してくれたので良かった。
「A!ソイツが持ってるマジカルペンをオレ様に寄越すんだゾ!」
「えっ、ちょっ。」
『……?あれ、なんでハーツラビュルのペン二本も持ってるの?』
「こ、これは……その……」
なるほど、彼らがラギーを追いかけてたのはそういう事だったんだ。
下を向いてもごもごしてるラギーの顎をクイッと持ち上げ、ボクと目を合わせる。
ボクより少し背の高い彼を上目遣いで見つめると、彼は顔を赤くする。
『返して、あげて?』
「うぅっ……は、はいッス……。」
ボクが言うと、ラギーはすぐに彼らにペンを返した。
「よっしゃー!A先輩つえー。」
「これで寮長に怒られずに済む……。」
「何かアイツ、Aの前だとやけに大人しいんだゾ。」
「A先輩、ありがとうございました!」
『うん。またね〜。』
後輩たちの後ろ姿に手を振っていると、ラギーがこちらを見つめていた。
「その、Aさん……オレのこと嫌いになったッスか?」
きっと彼はマジカルペンを盗んだことにボクが怒ってると思ったんだろう。
ボクは涙目でそう聞く彼をぎゅっと抱きしめた。
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ここから作者がヤンデレなラギーが好きという都合でヤンデレになります。
苦手な方はご注意下さい。
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林檎と珈琲豆(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます!不定期になるかもしれませんが、面白いと思って頂けるような話を頑張って更新していきますので、これからも読んで頂ければ嬉しいです! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 28265de769 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - とっても面白いですこういう小説待ってました!!更新楽しみにしてます、頑張ってください!!! (2022年8月6日 21時) (レス) id: 4c9728094c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林檎と珈琲豆 | 作成日時:2022年8月6日 16時