1話 ページ3
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『ねえヴィル、今年はどんな子が入学してくるんだろうね。』
「そうね。少しはまともなのが来ると良いのだけど。」
ヴィルに勧められたトリートメントだのヘアオイルだのでケアしているサラッサラで自慢の髪を櫛で梳かしてもらいながら話す。
今日は式典だからと言って、いつもより気合いを入れた髪型にセットしてくれるヴィル。
器用だなぁと思わず見とれてしまうほどだ。
「ほら、出来た!今日も美しいわ。A。」
『ありがとうヴィル、大好き。』
そう言いながらちゅっとヴィルの白い頬にキスをする。
「ええ、アタシもよ。」
ヴィルもそう言ってボクの頬にキスをする。
これもそろそろ日課になってきている位だけど、ヴィルがいつもキスを返してくれるから飽きないし、むしろ返してほしくてキスしてる。
ヴィルと2人並んで鏡舎へ向かう。
視線や気配は感じないけど、多分ルークが後ろからボク達を見てるだろう。
ルークはボク達のことが大好きだから。
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鏡の間に着いたら、もうそこそこ人が集まっていた。
『さすが〜。ハーツラビュルの子達は集まるのが早いなぁ。』
「A、アタシはちょっと用があるから此処を離れるわ。お喋りも良いけど、時間にはちゃんと並んでおくのよ。」
『うん、頑張ってねヴィル。』
ヴィルの式典服にシワが残らないように優しく抱きしめて見送った。
寂しいなぁ1人になっちゃった。
「……あれ、もしかして……A氏?」
自分より少し下から声が聞こえる。
振り向くと、ドクロが真ん中に描かれたタブレットが浮いていた。
『イデア!』
「笑顔眩しっ。タブレット越しでも陽キャオーラ全開なんですけど……」
イデアは同じボドゲ部の同級生で、最初はめっちゃ怖がられてたけど、ゲームやってたら仲良くなった。
『イデアったらこんな時くらい顔出せば良いのに〜。タブレットだとぎゅって出来ないじゃん』
「A氏の頼みでもそれは流石に……。拙者人混みは苦手なもんで」
『そっかぁ…。あ、うちの寮長サマが戻ってきそうだから行くね!
また遊ぼうね〜イデア!』
「ちょ、まっ…もういいや。
A氏はいっつもヴィル氏のことばっか……。拙者にもかまってくれてよくない?部活の仲間だよ?
…………何言ってんだろ、拙者のような陰キャにかまってくれるわけないじゃん。恥ずかし。僕も早く行こ。」
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林檎と珈琲豆(プロフ) - 紅さん» ありがとうございます!不定期になるかもしれませんが、面白いと思って頂けるような話を頑張って更新していきますので、これからも読んで頂ければ嬉しいです! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 28265de769 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - とっても面白いですこういう小説待ってました!!更新楽しみにしてます、頑張ってください!!! (2022年8月6日 21時) (レス) id: 4c9728094c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林檎と珈琲豆 | 作成日時:2022年8月6日 16時