考える ページ12
翌日
いつものように対人格闘術の訓練がはじまった。
・
…表向きは。
私は平常通りを装ってミカサと組みながらも、時々視線を周りにすべらせ彼女を追っていた。
恐らく、私の視界には入ってこようとはしない。
というか、彼女こそいつもと変わらずこの時間を過ごすだろう。
だからといって、追いかけるのもあまり得策とは言えない＿＿＿＿＿
シュッ！
考えごとに浸りすぎてしまったAは、目の前の状況にとっさに反応できなかった。
茶色の物体が体のすぐ側を通ったことを確認したその瞬間
ヒュッ
ダンッ！！！
体が宙に浮き、あっという間に地面に叩きつけられた。
少し遅れて背中に焼けるような激しい痛みが襲ってきた。
・
やってしまった.......
最悪だ。
訓練中に一人で考えこむなんて、注意力散漫すぎる。
ほんとに悪い癖、だな＿＿＿
「A！！」
少し表情を引き攣らせたミカサが駆け寄ってきた。
「A…ごめん。大丈夫？」
『ッいや、ごめん。ミカサが謝ることはない
全て訓練に集中してなかった私が悪い。本当にごめんなさい』
サッと目が合ったとき、ミカサに対して申し訳ない気持ちが一気に溢れてきた。
ミカサは真面目にやっているのに、訓練中に注意力欠かして物思いに浸った上に謝らせるなんて。
「…とにかく、立てそう？」
ミカサが手を差し伸べてくれた。
何も聞かず、察してくれる
ミカサだけじゃなく、エレンやアルミンにも私はそうやって甘えて頼ってきた。
兵士に、調査兵になるなら人に頼ってなんて生きていけない。
私も、頑張らないと…
その為にはまず、ミカサとの訓練に全力を注がなければ。
ミカサはかなり強い
いまのところ誰かに負けてるところなんて見たことがないし、もちろん私も到底敵わない。
時々体の使い方を教えてもらったりするけど、ミカサは自分の体を完璧にコントロールしているようで、私には参考にできなかった。
けど、私には私の戦い方があるはず
なぜなら人はそれぞれだから
…そう、彼女自身が教えてくれたように。
私はミカサの手を借りて、立った。
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天雪(プロフ) - 体重とか無理のない設定で好きです(笑)素敵な作品、ありがとうございます！ (2020年5月7日 11時) (
レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
紫餡(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！！長い間気づけず申し訳ありません。。。本当に不定期としか言えませんが待っていただければ幸いです！ (2019年12月1日 15時) (レス) id: 0463c0f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 面白いです！更新期待としか言えませんね...(゜Д゜) (2019年7月28日 18時) (レス) id: a4b09d9bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫餡 | 作成日時：2019年1月22日 16時
