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突然止まっていた空間が動いた。




バタン、と大きな音をして扉が開いたのだ。



「どうしたんだい!? また現れたのかい!?」



そこに現れたのは、ハエたたきとエプロンをまいた綺麗なお姉さんだった。




「えーと。あのー、はい、えと、なにも現れてないです、ね。」




「あぁそれなら良かった。」



その人の目はとても優しい目をしている。







……………………






………………………いや誰?




勢いに負けて返答してしまったが…。




まじで誰??こんな人知り合いにいないよ!人攫い?このお姉さんが?赤い髪で、なんかボンキュッボンだし、でもなんかハエたたき持ってるし、なんかわかんないし、綺麗な長い髪ですね。そしてボンキュッボンだし…と心の中で自問自答する。






口を金魚のようにパクパクしている自分をよそに赤髪お姉さんは、もふ子に話しかける。




「おい、ノルン。お前何も言ってないのか。」




「きゅい?」



「おい、とぼけるな。」




「えー。だってこいつ途中で寝ちゃうし、めんど、くはなかったんですよ。
いやその、俺もボロボロだったし、」


面倒って言おうとしたなこいつ。



「はぁ、まぁそれはいいとして、」






「ん?ちょっ待って、もふ子がしゃっべった。」




あ、なんか人って1周回るとあまり驚かなくなるんだね。ははは、わたし放置されてるし。




「お前、自分の素性も言わず、連れてきたのか。しかも、今回は弟のはずだろ?」




「まぁ、それは色々あったんだって、それに俺がいきなり人語を話しだしたら、あっちの人間は驚いて話もきいてくれないだろ?」



「まぁ、それはそうだが…。」



「あ、あの…。」




「あぁ、すまない。 名乗り忘れていたな。私の名前はオリヴィア。それでこのちっちゃくてうるさいチビがノルン。」



「は、はい。」





「俺は、神獣だぞ!チビとはなんだチビとはっ!本気を出せばもっと大きいんだぞっ!ノルン様と呼べっ。このクソばばぁ!」


オリヴィアさんの動きが止まった。









「ノルン?」





にっこりと笑ってる。口を綺麗な弧を描いて笑ってる。



けど、目が笑ってない。

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設定タグ:異世界転移 , 恋愛 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時

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