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森の中から誰かが近寄ってきた。
フードのせいで顔は見えない。
一人の少女と1匹はいまだに夢の中。
「………………。」
寝ている彼女らの目の前に立ち、手を指す。
「―――ディスフォーバル。」
その男は魔法を唱えた。
そしてその者の周りに赤黒い魔法陣が浮び上がる。
「トゥインクラッシュ。」
その男とは違う、女の声が森の中に響く。
そのとき、少女の周りに眩い閃光が放たれ、その男も呑み込む勢いで森の中に広がる。まるでそこは昼かのように。
男は後ずさる。赤黒い魔法陣もいつの間にか消えていた。
「すまないが、ウチの子たちから今すぐ離れてもらおうかねぇ。」
「…………チッ。」
そしてその男は、苦虫を噛み潰したような顔をし、去っていった。
「はぁ、全くウチの子は飛んだお姫様を連れてきちゃったもんだねぇ。」
そう言い苦笑いした。
眠る一人と1匹はまだ夢の中だ。
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もふ子が1匹ー。もふ子が2匹ー。もふ子が3匹ー。
いやーここどこだろー。雲の上あるいてるよー。あはははー。
もふ子は依然と増えている。もうかぞえきれないわ
「「「きゅい」」」
もふ子たちが一斉に振り向く。
かけてくる。こっちに!?
あ、ちょっとまって追いかけないで噛まないで、こんなの集団リンチじゃん。
「いっだぁぁぁあい!!」
小鳥の声が響くすがすがしい朝だと言うのに。
こんな乱暴に起こすのはどこのどいつだと、昨日の記憶を巡らす。
「あぁ、もふ子か。」
私の独り言が響く。部屋の中。1つの大きな窓から除く澄み渡る青い空と美しい深碧に染まる木々は、自然と自分を落ち着かせる。この窓に置いてある一輪の淡い桃色の花はなんという花なのだろうか。
ん?部屋の中?
ちょっと待てよ、昨日の今日で何があった。いや、落ち着いている場合じゃないとか色々考えているうちに、
遠くの方から、
まるで、なにかがかけてくるような音がする。
1秒1秒時が進む度大きくなっていく。
ど、どうしよう。
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時