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寒い。
私は目を覚ました。薄暗く、自分の近くにランプがあった。
あぁ、そうだ、いきなり腹パンされたんだったわ。
あれからどれくらい時間が経ったかわからない。
ここはどこだ？
廃墟だろうか、近くに男達の気配はなかった。
多分家から結構離れているのだろう。こんな場所みたことない。
ほんと何やってんだ私は、まだ生きてただけ良かったが。
＿＿＿＿コツコツコツ
遠くから足音が聞こえる。
あの男達だろうか。逃げなければ。
ジャラｯ。
足に鎖がついていて逃げられなかった。
終わったわ。さっきから色々と。
「______________可哀想だね。お嬢さん、そんな若いのに。
昔からなんだよね。魔法使えないニンゲンはこうやって利用されるんだよね。」
魔力が高いから私は魔物をおびよせるための囮にさせられたんだ。
話しかけてきたのは先程の男達では無い。
月光に照らされ怪しくも綺麗な青年が前にいた。
「貴方は、魔物ですか？」
私は前にいる青年に問う。
「…うん。ボク魔物だよ。」
はい。
殺られる前に殺ろう。
一か八かだと思い、アッパーしました。
「おぅりぁぁぁ！！！！」
物理です。
魔物といった青年は綺麗に飛んで行った。
バトルアクション漫画の主人公ばりに頑張った自分。
まってこれ、倒せるんじゃない？
そして、その魔物は、ケラケラ笑いながら立ち上がった。
何がおかしい。
てか、こいつもイケメンだな。
肩にかからないくらいの金髪に吸い込まれそうな赤い目。
そして彫刻ですかってくらい整ったお顔をしておいでですね。この世界はどいつもこいつも美男美女ばっか。そこで負けてしまうなんて。くっ。悲しきかな。
「お嬢さん。痛いよぉ。
ねぇ、名前なんて言うの？」
「Aです。」
あ、条件反射で答えてしまった。と心の中で後悔したが、私は表情ひとつ変えずに前にいる魔物を睨んだ。
「そうなんだ。さっきは勘違いして悪かったよ。カオルは魔法が得意なんだね！」
「いや、物理です。」
何私はコイツと喋ってんだ。
「ブツリっていう魔法なんだ！すごぉい。」
おい馬鹿かこいつ。
「カオル、気に入った！ボクの魔法のせんせになってよ！」
「は？」
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作者名：Chiroru | 作成日時：2019年1月3日 15時
