＊Summer Love 〜ひと夏の恋。本気だったよ、私。〜＊

＊初対面＊ ページ3

・



ビルの屋上。



ビアガーデンは、たくさんの客で賑わっていた。




会社帰りのサラリーマン
OLたちの女子会
おばさま方の飲み会
若者の飲み会



それぞれのテーブルはいろいろな客層で
楽しそうな笑い声
所狭しと並んだオードブル
陽気なBGM


それだけでテンションが上がり始めた。





「こっちでーす！」



葉月がみんなを誘導すると
自然に５対５で、椅子に座る。



幹事は恋人同士だから
実質4対4…………………




さらっと見ても
割りと爽やか系のメンバーばかりだった。




お決まりの自己紹介が始まり
何となく目で追う。




えっと・・・



左の端から



車のディーラー
塾の講師
住宅の営業




それから




えっと………………………




私の前。




シルバーに紫っぽい髪色に

カラコンにピアス

少しゴツい指輪




見るからに少しだけ危険な感じがする……………





SM「ヒョンは…………
　
あっ、えっと、僕たちは同級生なんだけど
ヒョンは大学時代の先輩で。

今日は俺が忙しいのを承知で誘いました！


名前はイェソンさん。

仕事はフォトグラファー。」




ソンミンさんから紹介されると
少しだけ頭を下げて
ビールとナッツを静かに口にした。



ちょっと声を掛けるのを躊躇ってしまう。



ただ、

視線を外せなくなる程の
オーラを放っていた。




久しぶりに口にしたアルコール。



フワッとアルコールが身体中に流れ
顔が火照って熱くなった体


私は酔いを冷ますため
オードブルコーナーに向かう。



ふぅ…………………


とりあえず水を飲んで
果物とサラダを盛り付ける。





「えっと、Aちゃんだっけ？
大丈夫？足元フラフラしているけど歩ける？」



私に声を掛けてきたのは
住宅の営業をしている………シウォンさん。



私が持っていた皿をさりげなく持ってくれ
エスコートするように歩いてくれた。



SW「レモン水、持って来るから座ってて。」


「すみません……ありがとうございます。」



席に着いた私は
ふと視線を上げると
ペースを崩すことなく
飲み続けているイェソンさん。



「強いですね。」


YS「君が弱いんだろ？」


「です、ね(笑)」



アハハと愛想笑いすると
シウォンさんがレモン水を運んで来てくれた。



「ありがとうございます。」



SW「女の子なんだから、
あんまり無理したらダメだよ。」



そんな優しい言葉を掛けられたのは
いつぶりだろうか？



レモン水が何だか甘く感じた……………

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