番外編 再会の日。 ページ44
寒さが増してきて遂には両ポケットにカイロを入れるぐらいに寒くなってきた。よく見る年がら年中半袖短パンの子でさえもモコモコな上着を着ている。
『ふー…さむぅ…』
暇なので久しぶりに散歩に出ている。いつもなら寒い!行きたくねぇ!で完結するのだが今日は何故か散歩に行きたい、いや行かなくてはと思い外に出ている。
『なんでかなぁ…ん?』
自分でも正直意味が分からないのだが仕方が無い。歩いていてふと見つけたベンチに座り息をついていると真っ黒なコートが見えた。スラリとした身体に闇のような黒髪。どこか他の人とは違う雰囲気をしている人。
『…まさか…ねぇ。』
その人とバチ、目が合った。コツコツと此方に歩いてくる彼の顔を見て確信をした。間違いない。私はふわりと微笑んだ。
「初めまして。…久しぶりAちゃん」
『初めまして、久しぶり。…サタン。』
彼ことサタンは優しく笑って隣に座る。はい、と差し出されたココアを受け取ってごく、と1口飲んでふぅと白い息をはいた。
『帰って来たんだ?』
st「まぁ、ね。随分と怒られたよ。お陰で毎日毎日大量な仕事を渡されてねぇ」
『あらら。でも元気そうだね?良かったよ。…そう言えばチーノは?』
st「それが分からないんだよ。僕とは仕事場が違うからね。でも元気にしてるってよ。」
『そっか。なら良かったよ。』
真っ青な空を見てそう言った。サタンはそうだ、とポケットから何かが書かれた紙を取り出して渡した。首を傾げながらその紙を貰い中身を見ると電話番号ともう1つ何処かの住所が書かれていた。
st「それ、僕の電話番号ね。あとその住所は君の恩人達が住んでいる森がある場所。」
『恩人…って、まさか』
st「君に忠実な従者くんもいるよ。凄く寂しそうにしてるだろうから今度行ってあげなよ。」
にっこりと笑ってベンチから立つとまたね、と手を振りながら街の中へと消えていった。
『…ふふ。不思議な人』
クス、と笑いながらまたココアを1口飲んだ。ベンチから立ち上がり久しぶりに買い物でもしようか、と街の中へと向かう。
いつの間にか寒さは無くなっていて体はポカポカと温まっていた。
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新作が作られました。日常系なはずです。因みにメインは総統様
【d!】総統様、過保護ですね【gr】
暇な時に見て頂けると嬉しいです
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しおりん - 泣けた(T^T)面白かったです♪もう言葉に出来ないほどに (2020年2月9日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2019年10月18日 19時