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悪魔の正体。 ページ41

其の悪魔は"束縛愛"の悪魔として生まれた。普通とは違う悪魔の本能を持って生まれた其の悪魔は周りから一線を引かれていた。

「僕は…なんの為に居るのだろうか。」

そう考え出した以降彼、サタンは自分の事だけを考えて動き出した。悪魔界の為?そんな訳ない。誰か好きな人でもいる?いやいや、そんな人いない。そうやって考えた末に辿り着いた結果だ。そんな彼にも転機が訪れたというもの。

『ぁ、おはよう、ございます。悪魔さん』

「…あぁ、おはよう」

そう、彼女Aとの出会いだ。そのたった1つだけの出会いで彼はころりと変わったのだ。今までやらなかった仕事も真面目にやり悪魔界にも沢山の貢献をしたのだ。それも全てはAの為。彼は始めて誰かを本当に"愛する"ということを知ったのだ。

「…Aちゃん、Aちゃん。君の為なら、僕は」

それ故だろう。サタンの異常な束縛愛が、独占欲が溢れ出してしまった。彼女が他の誰かに奪われるなんて当然無理。彼は最初からとうに病んでいたのだ。然し流石悪魔。それを隠して確実なチャンスを狙っていたのだ。

「でも、もうダメなんだろうね。僕は、チャンスどころか君を傷付けてしまった。…もう、無理さ。」

『…サタン』

「ふはっ。また、ノエルとウィールに、怒られちゃうなぁ」

『…サタン』

「もう、アイツら面倒なんだよ。本当」

『悪魔さん』

喋り続けるサタンになるべく強い口調で名前を呼んだ。少しの間吃驚していたサタンは暫く私を見てからなぁに、と優しく問いかけた。

『…大好き、だよ。悪魔さん。』

「!…ふふ。ありがとう、Aちゃん。僕も大好きだよ。」

─────次会った時は、初めまして久しぶり、だね

そう言うと悪魔さん(サタン)は真っ黒だけど優しい何かに包まれて消えていった。私は立ち上がってチーノの方へ歩み寄った。

『おにぃ。大好きだからね。』

ci「嬉しいわぁ…ありがと、A。…また会おうや。」

そう言って私の頭を撫でるとおにぃ(チーノ)は同じように真っ黒な何かに包まれて消えていった。私はただその場に立ち尽くして涙を流した。その後は、よく覚えてないけどおにぃ達がずぅっとそばに居てくれたのは感じていた。

『本当に2人が大好きだったから。』

『ううん、大好きだったから、じゃない。』

『"大好きだから"』

『だから、また必ず会おうね。』

数年後のお話。→←其の名は大悪魔。



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しおりん - 泣けた(T^T)面白かったです♪もう言葉に出来ないほどに (2020年2月9日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2019年10月18日 19時

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