少女と脅威 ページ16
鬱兄様の書類のお手伝いが終わり部屋から出て何処に行こうか、と思いながらふらふら歩いていた。その時目の前に急に深い緑色が現れて思わずビクリ、と肩を揺らした。
『ぞ、ゾム兄様…。危ないですよ?』
zm「大丈夫やって。怪我したりはせぇへんから。な、A暇やろ?なら俺に付き合ってくれへん?」
『?いいですよ』
ゾム兄様は私の返事を聞くとよっしゃ!と言ってすぐに私を抱えた。えっ、と驚く暇もなくダクトの中に連れられてそのまま走る。抱えられているから少し酔いそうだけど我慢。暫くしてゾム兄様は急に止まると徐にダクトの天井の板を押した。
『ここって…』
zm「そ。屋根裏部屋や。」
ゾム兄様は私を部屋の中へ押し上げて自分も部屋の中へと入り板を戻した。ぐるり、と部屋を見渡す限り埃などが全く無い。ゾム兄様がそうじでもしたのだろうか。いやゾム兄様はそんなに掃除する人だったかな?
『ゾム兄様。この部屋凄い綺麗ですね。』
zm「せやろ?Aにこの部屋見せたいな思て頑張って掃除してん。」
ドヤ顔をするゾム兄様に凄いです!と声をかけて部屋の中を散策する。ふと端に寄せられた宝箱の様な箱を見つけて私はそのそばにしゃがみ込んだ。ゾム兄様はというとこの部屋にある武器を見ては丁寧に磨いていた。
『(見ても…大丈夫だよね)』
見たいという好奇心に動かされてその箱をゆっくりゆっくりと開いた。箱の中には日記の様なものがあって題名欄には「おにぃ達の情報メモ」と可愛らしい字で書かれていた。私ははそのノートをパラパラと捲って中身を見てみた。その中身を見て私は段々と頭が痛くなっていた。なに、この感じ。怖くなって思わずゾム兄様に声をかけた。
『ゾム、兄様』
zm「ん?どうしたんA」
『コレ、なんですか?』
ゾム兄様にそのノートを見せた途端ゾム兄様は怖い顔をして私を壁に打ち付けた。背中に痛みが走る中ゾム兄様は自分の手を私の首までもってきて徐々に徐々に締め上げ始めた。
『ゃ、ゾム、兄様』
zm「可愛い可愛い俺のA?知らなくてええ事もあるんやで?」
『は、っ…』
zm「このまま俺の手で命を消してやりたいとこやけど、グルッペンに怒られてまう。やからA。もう2度とこのノートを見ぃひんって約束してや」
私は必死に頷いた。ゾム兄様は手を離してからいい子、と私の頭を優しく撫でていた。もうあのノートは見ないとそう決めた。
ゾム暗殺隊隊長
狂愛が深まった。Aを自分の手で殺りたい欲は健在。
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおりん - 泣けた(T^T)面白かったです♪もう言葉に出来ないほどに (2020年2月9日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2019年10月18日 19時