え、あ、無理 3【JM】 (ページ23)

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何もわからないページ23

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ふわふわとする思考。
頭を撫でる彼。

'まだ、寝ていて。'

そう言われて目を閉じれば、睡魔に襲われて…。
混濁とした思考の中で、"何かが違う"と警笛を鳴らす。

なにがちがうの？

目を開ければ、優しく笑う男の人。
チェ・ジフンと名乗ったけれど
あなたはだれ？
私の婚約者？
婚約者ってなに？

「A、起きたの？大丈夫？」

何か、違うのに、何が違うのかわからない。

「まだ寝ていて、"僕のお姫様"」

"お目覚めはいかがですか？僕のお姫様"

「っ！」

頭が痛い。
"違う違う"と私の中の私が言う。

「あなたはだれなの？」

痛い頭を抑えて聞くと、彼はナースコールを押しながら、眉を下げる。

「大丈夫？頭が痛いの？」

私の質問に答えない彼。

私に触る彼の手、"知らないっ"また、私の中の私が叫ぶ。

「さ、さわらないでっ」

彼の手を振り払う。

「まだ、記憶が、錯乱しているだけだよ。大丈夫、大丈夫。」

彼が私を抱きしめる。

"嫌だ、この人は嫌だ"

気持ちが高ぶり、彼を振り払う。

「愛してるよ。A」

"違う、嫌だ、嫌だ。"
"知らないっこのヒトを私は知らないっ"
混乱する感情を止められず、手を振り回して、暴れる。
頭も痛い、心も痛い。

「Aさん、落ち着いて」

「大丈夫ですよ。」

「先生っ」

ナースに取り押さえられ、身動きが取れない。
医師が注射器を取り出す。

"嫌だ、ソレを打たないでっ"

ぐっと腕を捕まれ、注射を打たれた。

「大丈夫ですよ〜。」

力が抜ける、頭がぼぉとする。

あぁ、何もわからなくなる。

だれか、助けて。

…