FULL MOON 4

MV ページ47

☆


亮君の映画の主題歌を歌うことになった。
レコーディングは、韓国で済ませ、MVは、日本で、ってことになったんだけど…。

メンバースタッフと共に日本の撮影スタジオに入った。

「監督、お久しぶりです。」

顔見知りの高橋監督に挨拶をすると彼はニッコリと笑って、

「お〜、A。元気そうだな。」

と、Aの頭を撫でた。
監督とは、亮君関係で知り合いだったし、当然監督を長とした高橋組のスタッフとも、仲が良い。

「嬢ちゃん、女優デビューはまだかい？」

「Aの女優デビューは、うちらで撮るよ〜。」

「亮達も待ってるだろ〜？」

高橋組のスタッフさんたちが口々に声をかけてくる。

「女優は、ないかな。私はFULL MOONのVocalだし。」

私がそう言うと、

「残念だなぁ。まぁ、今回のMVは任しとけ。俺達が最高なやつ、撮ってやるからなぁ。」

高橋監督が笑いながら言った。
スタッフ達も笑顔で頷いている。

そんな私達をマネさんを始めとしたFULL MOONのスタッフとメンバーが呆然と見ていた。

MVは途中、映画のシーンをいれるみたい。
シウとマネさんと監督さんが打ち合わせをしていた。
FULL MOONのMVはいつも、演奏、ライブ映像を中心としたもので、私達は演じたりしない。
演者(俳優？)が必要な時は、俳優に入ってもらっているが…。
結局、今回も、私達のライブ？を中心にMVは作られるよう。
まぁ、衣装は映画に合わせたものを用意したみたいだけど。

グリーンバックの部屋に置かれたバンドセット。

「ねぇ、マネさん。」

私の呼びかけにマネさんは首を傾げる。

「コレ、いつものMVと一緒じゃない？日本で取る意味ある？」

私がそう言うと、シウ達が笑った。

「A、それ言っちゃ、ダメでしょ？」

「カ、カメラマンはいつもと違うよ？」

「とりあえず、やろう。」

シウがため息をついて言うので、仕方ないなぁと思いつつ、皆で位置につく。

MVどんな仕上がりになるのかなぁ？




…

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