FULL MOON 4

凶悪な弟達　1 ページ4

JK


ある音楽番組で、出番はまだだからと一人で、自販機に飲み物を買いに出た。
それがいけなかったのか、ひとけのない廊下で、売れてないアイドルグループの男たちに囲まれた。

人気が出れば出るほど、妬まれることは、多々あって。
それに対し、笑って躱せるほど、大人でもないし、反論を言えるほど、口達者でもなくて。
マンネだからと、兄達に庇われて。
強くなりたいと、負けたくないと、思うのに…。

「なんとか言えよ？マンネちゃん」

俺を見て、ギャハハと笑う男達に、拳をギュッと握った。

「何笑ってんの？つまんねぇ」

俺の後ろから聞こえた声に振り向くと、後輩のFULL MOONが全員、居た。
シウが言った言葉に、さっきまでニヤニヤしていた奴らは、無言になっている。
俺達の前では可愛い後輩な彼らだけど、
噂によれば他の事務所のやつとか、気に入らないやつにはかなり、塩対応だとか。

バンドだからか、全体的に黒い衣装の彼らは、ジャラジャラとちょっと厳ついアクセサリーをつけて、治安の良くない格好をしているし、いつも俺達の前では、ニコニコしているが、今の彼らは視線が鋭い。

「マンネは、俺なんで〜、で？なんすか？お兄さん達、俺に用事ぃ〜？」

凶悪に笑うジュノに、いつもの可愛らしい彼らしさは全く無かった。

「お兄さん達は、俺達が気に入らないようで。」

ふふふ、と冷ややかな笑みを浮かべながら、言うソジュンは、俺を自分達の後ろに追いやった。
彼らの一番後ろを歩いていたらしき、Aが、俺の前に立ち、右足をダンッと踏みしめ、

「潰すぞっ」

と低く、言い放った。

「「「「ひっ」」」」

俺を囲んでた男達は逃げようと転んだり、後ずさりするが、

「マネさん、あとヨロ〜」

右手を上げ、そうシウが言うと、ザッと俺達を囲むFULL MOONスタッフ。

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