FULL MOON 4

二日目　1 ページ16

シウside




いつもどおりに、ライブは大盛況で終盤。

「TOMORRO X TOGATHER！」

俺の声で中央に彼らが下から上がってくる。
彼らの"Run Away"に合わせて、ジュノや、ソジュンがマントを羽織り、Aも、某魔法学校のような衣装に早着替え。
歌いだしも、ダンスも完璧な後輩に、俺達もノリノリで演奏してた。
Aが持っていた杖をタイミングよく振り、花火が出るのも完璧だった。
一つ気になったのは、Aの立ち位置。
リハとは違う場所にいる。

それに気づいたソジュンとジュノが視線で、俺に合図してくるが、行けとも動くなとも言えず、様子を3人で見守る。

「「「あっ」」」

気づいた時には遅かった。
ボムギュが、動いた先にあったのは、彼らが出てきた奈落。
本来閉じるべき奈落は開いたままになっていた。

ヤバイ、落ちる！

そう思った時にはAがさり気なく、ボムギュを引っ張り、自分が落ちた。

「「「Aっ」」」

今は俺達のマイクが入ってないから、思わず、叫んでしまった。
でも、演奏を止めるわけにはいかないっ。

ボムギュも動揺しているみたいだが、しっかり、歌って、踊っている。



マネside


機械トラブルで奈落が一つ閉じない。
とりあえず、誰かが落ちても大事にしないように、マットを置くように指示を出す。
ヤバいな。
これでTXTが怪我でもしたら…

「キャー、Aちゃん」

スタッフの声で慌てて、奈落の下へ行けば、落ちたのはうちのAだった。

「大丈夫、騒がないで。」

Aは、そう言って、起き上がると

「マネさん、ごめん。あっちに行きたい。」

そう、下から上に出られるところを指さした。

「足やったのか、」

俺がそう言うと、

「ごめん、早くっ」

両手を広げてそう言うA。
仕方無しに、運ぶと、

「上げて」

Aは、そう言って立った。
指示通りに上に上げる。

モニターを見れば、Aが消えて、
別の場所から出てきたことになっていて、うまく誤魔化せている。
医療班に待機させ、とりあえず様子を伺うが、Aは、動かないものの、最後まで、上手く乗り切っていた。

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