非常階段 2 ページ1
☆
「あの時僕は怖かった。自分が自分でなくなって、違う誰かになりそうで…。」
胸に手を当てて言う先輩。
その恐怖は、私にはわからない。
俳優である、亮くん達から聞いただけだ。
でも、自分が自分でなくなるのは、怖いことだと思う。
「僕は、いつも周りから、BTSのVであることを求められて…それは嫌なことじゃないけど、僕はVだけど…でも、キム・テヒョンでもあるのにな。っていつも思ってて。Vは、キム・テヒョンじゃだめなのかなって…」
先輩の言いたいことはなんとなくわかる。活動しているうちに、そうなってしまったんだろう。
「僕は、僕をキム・テヒョンだって、言ってくれる人を探していたのかもしれない。Aちゃん、僕を、キム・テヒョンを見つけてくれてありがとう。」
じっと私を見て言う先輩。
私は苦笑した。
「先輩をキム・テヒョンとして、見てくれる人は、身近にいましたよ?」
私がそう言うと、彼は首を傾げた。
「ジミン先輩は、いつだって、貴方のそばに居て、貴方を見ていました。」
私の言葉に先輩は嬉しそうに笑って、
「うん、そうだね。ジミナはいつも僕を見てくれてた。親友だからね」
と言った。
私ではなく、ジミン先輩でも、彼は戻れたと思う。
ただ、ジミン先輩はやり方を知らなかっただけで…。
「僕は特に女の子には外見だけを見られることが多いんだけど、Aちゃんは、僕の外見には、興味なさそうだったよね?」
先輩はそう言いながら、頬をかいた。
「あ〜、イケメンは見慣れてて、なんか、ごめんなさい。」
私はそう返すしかない。
「いや、その、それが、新鮮と言うか、安心したと言うか、僕にとっては、ありがたくて…。」
視線を、ちょっと彷徨わせて、先輩は言う。
「あのね、僕には、君が必要だなって思ったの。」
そう言った先輩は照れたように笑った。
ん?なんか、先輩の話がよくわからない方向に進んでる?
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ちな(プロフ) - akb48yuuko1さん» いえいえ。コメント嬉しいです。不思議の国も読んでくださっているのですね。ありがとうございます!たくさん更新できるように頑張りま〜す! (2022年9月28日 12時) (レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
akb48yuuko1(プロフ) - せかしてしまうようなコメントすみません( ; ; )ジョシュア君シリーズ毎日更新楽しみに読ませてもらってます💓これからも頑張ってください!! (2022年9月28日 2時) (レス) id: 308e687bed (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - akb48yuuko1さん» コメントありがとうございます。こちら、暫く更新停止してしまい、すみません。また、ぼちぼち、頑張りますので、ゆっくりお待ち下さい。 (2022年9月27日 15時) (レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
akb48yuuko1(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年9月26日 1時) (レス) id: 308e687bed (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - 18r8sychachanec茶々さん» 感想ありがとうございます。面白いと言っていただけて、嬉しいです。頑張ります! (2022年1月2日 0時) (レス) id: 0b8c1c72f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちな | 作成日時:2021年8月1日 23時