destiny【RMPG】

ワガママ姫 ページ37

壱馬side


『やだ！！！』

陣「そんな怒らんといて〜
夜にはみんな帰ってくるから」

『やだ！！！』


始まった…


俺らは仕事上
日中はほとんど事務所やら仕事やらで家にいない

だからその間Aは家で一人になる


最初は全然平気で、すんなり仕事にみんな行けていたんやけど

最近ほとんどのメンバーに懐き、離れるのが本当に寂しいみたいで
仕事に行こうとするたび『やだやだ』と駄々をこねる


『やだ！』と怒るか『行かないでよ』と泣きそうになりながら俺らを止めるかのどっちかで

メンバーも「ぜったい帰ってくるから」となだめるのに必死な毎日


『…やだ…。』

樹「絶対今日は20時には帰ってこれるから」

『…遅い』

龍「あ、俺19時は帰ってこれるかも
みんなより早く帰ってこれるから我慢できる？」

『本当…？』

龍「うん、約束〜」


今日は仕事をしたあと、夕方から撮影で
龍の撮影の番が1番らしく、撮影終わったらすぐに帰ってくることを伝えたら、『わかった』と納得してくれたようだ

力矢「龍、ありがと」

龍「いえいえ〜」


次々と「行ってきまーす」と出ていくメンバーを、寂しそうに送り出す姫


ワガママやけど、本当に俺らのことを信用してきて、みんなと一緒にいたいって思うからこそ、行ってほしくない、ひとりになりたくないって思うんやろな


みんなが行ったから最後に俺も行こうとしてカバンを持つと
Aに優しく袖を引っ張られた


壱馬「どした？」

『……壱馬』


最後が俺やったから我慢してみんなを送り出した分、寂しさ爆発したんかな？

壱馬「俺もなるべく早く帰ってくるから
いい子で待っててな？」

『うん…』


今にも泣き出しそうな彼女に、胸がキュッと締め付けられる

仕事行きたくないなぁ…なんて、今まで思わなかったのに。


寂しくないように優しくぎゅっとAを抱き締めれば俺の背中に回ってくる手


壱馬「行ってきます」


すべてが愛おしくてチュッとおでこにキスすれば
ニコッと嬉しそうな顔をするA


『行ってらっしゃい
お仕事頑張ってね！』



車に乗れば、扉の前まで出てきて
ずっと手をふってるA


昂秀「やべえかわいいー
俺も早く帰ってこよ」


北人「遅かったね
何してたの？」


壱馬「…別に？」




少しずつ、彼女に対する思いが


好きへと変わっていった

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