検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:70,908 hit

→ play 14 ページ14

.





「……ううん、銀時も好きな子居るんだ、って思って」





"今から考えるからちょっと待ってね"と
頭をフル回転させて、

自分の中で一番良い返答を返したつもり。

笑顔を貼り付ける私に、
彼はさっきまでの笑顔を失っていた。






「(っ……不味いことなんて言ってないよ、)」





少しの沈黙はあった、
けれどこれ以上の答えなんて、

思い浮かばない。

自然と滴る冷や汗に、
ドクドクとうるさい鼓動。

そんな私に、彼はゆっくり近づいてくると
腕を掴まれぐいっと引き寄せられた。







「────ねぇ、」

「……っ」


「銀時"も"、ってどういう意味?」







真っ赤な暗い瞳は、
全てを呑み込むように嗤った。

間違えた、そう思い顔を歪ませると
掴まれる腕に力が込められる。






「いっ……!!!」

「なあ、答えろよ、なあッッ!!!!!」

「……っぎんと」

「聞いてないんだよそんなこと!!!!
お前の好きな人は俺以外はあり得ねェあるはずがねェ
どんだけ俺がお前のことを思って思って思って思ってッッ
好かれるために、話しかけるための話題も考えて、
見た目も自分でも好きになれるくらい気を付けて、
お前が嫉妬しないように女子との接触は避けてたのに……、
いつまでたっても、
お前は他の男と仲良くして仲良くして───ッッ」



「────痛いよ銀時ッッ!!!!!!!」








狂ったように喋りが止まらない彼に、
大きな声を上げる。

そうする以外に、彼の口を止める方法は思い付かないから。


パッと喋る口を止めて、
彼はハッとした、今の状況を理解したからだ。


大丈夫、声を出したお陰で
私の震えは止まった。


自分のことを落ち着かせて
彼の瞳をじっと見つめた。






「……え、あ、え、Aちゃ───」

「銀時、ちゃんと聞いて」







彼は苦しそうに顔を歪めて
私から手を離した。

"嫌わないで"

そう訴えかけてくる表情を見て
私は彼の頬に手を添えて


優しく微笑んだ。






「大丈夫、嫌わないよ、銀時」







一語一語大切に。
生き延びるために、言葉を選べ。








.

→ play 15→←→ play 13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (214 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
410人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , ヤンデレ , 乙女ゲーム
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

チャリ愛用者。(プロフ) - 怖すぎて心臓がバクバク嬉しい悲鳴を上げております、ありがとうございます。銀さん推しなので、私得!って感じです笑 更新楽しみにしてます。 (2018年10月14日 0時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
白狐 - ヤンデレの怖さを改めて感じました…。ていうか夢主ちゃんかっこいい!神威くんはヤンデレ化するのかな?とにかくこの作品にはまりました!更新頑張ってください! (2018年10月13日 21時) (レス) id: 5ac4f52396 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(仮) - ぎゃああああ怖い怖いぃ…。その内銀さん以外も病み覚醒するのかな…。楽しみです。←更新ファイオーです! (2018年10月8日 6時) (レス) id: 4125be1b8c (このIDを非表示/違反報告)
- この作品すごく面白いです!更新頑張って下さい! (2018年8月1日 19時) (レス) id: 795dbb3df9 (このIDを非表示/違反報告)
阿保毛 野子 - あらためてヤンデレの凄さ、良さを感じました!続き楽しみに待っています。 (2018年5月16日 18時) (レス) id: 9ba6cc74aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちな | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年5月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。