義 務 結 婚 .【 安室透 】

liar 6 ページ6

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安室




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12時を過ぎた頃、
玄関の扉をゆっくりと開けて閉じると

リビングの方に光が見える。





「(……起きてるのか、)」





ちゃんと寝てて下さいと送ったのに。

なんて思いながらリビングに入ると
ダイニングテーブルに突っ伏せて寝てる彼女の姿。

それと、サランラップで包まれた料理が置いてあった。






「ふふ、………風邪引きますよ」


「んん……すぅ……」






規則正しい寝息と、
彼女の幸せそうな寝顔に思わず笑みを零す。

彼女の頬に手を触れて柔らかく弾き返してくる弾力が愛らしい。







「ほんとに、…貴方は素敵ですね」






寝てる彼女にそう囁いて、
女性にしてはやや軽めの彼女を抱き抱える。



最初にした約束を破ってしまうが、
彼女の部屋に足を踏み入れた。

必要最低限のもの以外置いてないのが彼女らしくて頬が緩んでしまう。







「……あむろ、さん」


「………寝言か、」







"ごめんなさい、嘘つきで"

心の中で小さく謝って
彼女をベッドにそっと下ろす。








「(……僕は、降谷零なんです。)」








彼女の目にかかる前髪を退けて、
そっと額にキスを落とす。


このキスは『好き』だからじゃない。








「Aさん、………」









『罪悪感』からのものだ。









「おやすみなさい、」









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