22. K ページ22
藤ヶ谷が寝室のドアを開けた。
「おいっしょ…」
ドサっという音と共にニカをベッドに寝かせた。
「あっちぃ…」
力の抜けた人間を担ぐのは重労働だ。
「北山…はい…」
リビングに向かうと藤ヶ谷に水を渡された。
「お〜サンキュー」
「一人で運ばせちゃってごめん…」
「いやいや、ドア開けてもらわねーとつらいからさ。
それにしてもニカ筋肉つけたから重かったわ!」
水を飲みながらソファに腰掛けた。思ったよりニカが重くて、飲んだ後の体には少しこたえた。
「あぁ…だよね。わたも宮もケントもがんばってたもんね。」
四人の頑張りをうれしそうに話す、笑顔の藤ヶ谷に俺は見惚れていた。
「毎日来てんの…?ニカんち…」
「毎日ではないかな…。なんか最近元気なかったから、ちょっと顔見に来ただけだったんだけど…。北山と飲んでるって知らなかったから…」
「ニカ…キスしても…それ以上はお許しが出ないって悩んでたぞ!」
藤ヶ谷が目を見開いて驚いてる。
明るい口調で言ってはみたものの、俺が言うべきことじゃないことはわかってた。
でも口が止まらない。
「好きだから付き合ってるんじゃないのか…?好きならすぐやっちゃうだろー男なんだからさー」
藤ヶ谷はこういう言い方を嫌う。
下品でデリカシーのないことは嫌いだ。
「北山サイテー…。北山って女の子にいつもそうなの?」
「俺のことはいいから、なんでダメなの?」
「だって男同士だし…未知の世界すぎて…」
「それでも好きならしたいって思わねーの?」
「それは………」
ハッキリしない藤ヶ谷にイライラしてきた。
それはニカに気がないからだろ?
「お前が好きなのは俺だからじゃねーのかよ…」
「きたやっまっ…んっ…」
そばにいた藤ヶ谷の手を引っ張って強引にキスをした。
藤ヶ谷はニカと付き合ってるんだから、こんなことしちゃダメだ、
頭ではわかってるのに…
藤ヶ谷の厚くて柔らかい唇が気持ちよくて止められない。角度を変えて何度も何度も唇を重ねた。
藤ヶ谷も嫌がる気配がない。受け入れてくれてるみたいだった。
藤ヶ谷の口が少し開いた瞬間、俺は舌を入れた。次第に深いキスになっていった。
「んっ…んっ…」
苦しくなったのか、藤ヶ谷の色っぽい声が漏れる。
好き。だからこれ以上もしたくなる。
服の裾から手を入れ、平たい胸を触る。
胸の飾りを摘むと
「んっ…」と声をあげた。

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作者名:chika | 作成日時:2018年2月10日 7時