Stand By You (ページ19)

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19. F ページ19

最近北山とよく目が合う。

仕事じゃなくてそれ以外の時に。

俺はよく北山のこと目で追っちゃうから仕方ないんだけど…なんだか北山もこっちを見てくる気がする。

何か話しでもあるのかな…それとも何かついてるとか！？

ヤベッ今俺挙動不審かも…。

「藤ヶ谷ぁ～。ちょっといい？」

「えっ、、あ、うん、…」
北山に話しかけられた。
挙動不審すぎたかも…。
北山についていくと缶コーヒーを渡された。

「ほい。甘いやつだから飲めるだろ？」

「あ、うん…ありがと…」
さりげなく俺の好みのものとか買ってくれてんだもんな…。
諦めたいのに…こんな些細なことでもうれしいなんて。

「バレンタインのときさー…」

「は？え…あ…うん…？」

そういえば北山の彼女からのチョコに苦しくなって急に泣いちゃったんだよな…恥ずかしい…。

「なんか…悪かったな。人がもらったチョコなんて困るよな。おれあんまそういうの気になんねーからさ…。
泣かせちゃったしずっと謝りたかったんだ…」

「いや、うん…俺こそごめん。意味わかんねーよな…」

「いや…藤ヶ谷に聞いてほしいことがあってさ。」

なんだろう。かしこまって…なんか怖いな。
彼女と結婚を真剣に考えてるから応援してほしいとか…？
それだったら本気でヤバイな。
俺笑えるかな…

「な、なに…」
声が震える。泣くなよ。耐えろよ。

「俺…彼女と別れることにした。」

彼女と別れる…そっか…
ん？
「は！？え！？今なんて！？」

「ハハ。びっくりしすぎだろ。」

いやいや。びっくりするだろ…なんで？
この前まであんな甘いオーラ出しといて？
彼女からチョコもらっといて？

「いや、だって…バレンタインから一ヶ月も経ってないじゃん…ラブラブなんだと思ってたから…。」

「あ～…どうだろうな？そもそもラブラブだったのかよくわかんねーわ。
途中から会うのもめんどくさくなってたし」

「あ、そうなんだ…」
喜ぶな俺。
人の不幸喜んじゃだめだろ。
それに諦めるって決めた途端これ…？

「藤ヶ谷には知っててもらいたかったから！んじゃそれだけ！」

「えっ…あっうん…」

なんで俺には知っててほしいの…？
最近の北山はよくわからない。あんなに距離があったような気がするのに、少しだけ近付いてきてる気がした。