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17. K ページ17

「昨日ニカとごはん行ったんでしょ?今日は俺らと一緒で…。なのになんで彼女には会わないの?」

「ニカと藤ヶ谷のこと知ってから…なんかモヤモヤしてさ。なんでいつも俺は藤ヶ谷のこと知らねーのかなって。体調が悪いのとか、好きなやつがいるとか…。それでずっとイライラしてて、彼女に会う気にもならなくて…」

彼女に会いたいと思ってすらいない。
正直めんどくさいと思ってる。

「彼女から誘われても忙しいって断ってた…」

宮田なんか固まってる。たぶん彼女会ってると思ってたんだろうな。
たまは驚きもしてないけど。

「ミツってさ〜ほんと鈍感だね」

「よく言われるわ…自分ではよくわかんねーけど…」

たまは心底めんどくさそうな顔。
グラスを持って氷をカラカラさせてる。
酒を一口飲んで話し始めた。

「ガヤはさー、中身女の子だよ?乙女だよ?好きな人が恋人からもらったチョコなんて食べるはずないじゃん」

「お、おぅ…そうだよな…」

藤ヶ谷の気持ちを知った今、考えれば当たり前だ。

「それに…ミツはもう彼女のこと好きじゃないじゃん」

俺は薄々気づいてた。気付いてた、なんて自分のことだけど…そんなことないだろって思って誤魔化してた。

「ミツが想ってるのはガヤだよ」

「んなわけねーだろ…。あいつも俺も男…」

「ガヤはミツが好きだよ。男だって」

俺はなにも言えなかった。
藤ヶ谷の気持ちを否定できなかったし…
いや、ただ藤ヶ谷の気持ちを否定したくなかっただけかもしれない。
「でももうニカがいるよ…」

「俺はっ…!」
珍しくたまが声をあげたから俺も宮田も驚いた。

「俺はガヤに幸せになってほしいんだよ…。ガヤとミツ二人で幸せになってほしい…」

「たま…」
たまが泣いてる。
宮田がたまに寄り添って背中をさすっている。

「ずっとミツとガヤの間で見てきたんだよ…。ガヤはずっとミツを見てたよ。やっとミツもガヤのこと好きになったのに…
二人で幸せになってくれなきゃ俺は悔しい…」

「たま…ありがとな…。
でも藤ヶ谷の隣にはもうニカがいるんだよ。
俺はなにもできねーよ…。
俺だって自分の気持ちに気付いたばっかだし。
それにニカを傷つけることもねーしな…」


たまはもうなにも言わなかった。
たまだってほんとはニカが傷つくのも見たくないんだ。

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作者名:chika | 作成日時:2018年2月10日 7時

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