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チョコレートを見せた時の藤ヶ谷が気になった。
チョコレート食べてって言っただけであんなに不機嫌になるなんて。
俺何かしたか?
何かまずいこと言ったかな?
考えても全然わからない。
そしてまさか泣き出すなんて。
なにがどうしたんだ。
でも怒らせたなら、謝らないと。泣いた理由はわからないけど…引きずったら仕事にも影響するし。
俺は藤ヶ谷を探そうと控え室を出た。
まず喫煙所…いない。
あと行きそうなところは…自販機…もいない。
なんとなく屋上かな、と藤ヶ谷ならあとは屋上しかないかな、と思って屋上に向かった。
藤ヶ谷のことならなんとなくわかる。
シンメだから、何年も前から一緒にいるから、不調とか、行動とか、そういうことは自分のことみたいにわかるんだ。
でも一つだけ…藤ヶ谷の心だけは全く読めない。
屋上の扉を開けると柱の陰になっているところに藤ヶ谷の姿が見えた。泣いている。
近付いて行こうと思ったら、誰かがいることに気付いた。背丈からして男だなとは思った。
誰だろうと前のめりになり見ようとしたら、そいつの顔が藤ヶ谷に近付いてそのままキスをした。
時間が止まったみたいに感じた。
見てはいけないものを見てしまった。
メンバーが男とキスをしているなんて…。
見つからないようにさっと死角になるようなところに隠れた。
そこから見えた男の顔…
藤ヶ谷の横にいたのはニカだった。

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作者名:chika | 作成日時:2018年2月10日 7時