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「Aが思ってる以上にAのこと好きだよ」
『…うん』
「それでもまだ不安なら、アレ使えばいいじゃん」
『どれ?』
「伝家の宝刀、一生のお願い」
そう答えれば彼女はキョトンとしていて。
「Aの一生のお願い、今まで断ったことなくない?」
『…1回だけ、断られたけど』
「え、いつ」
『玲王くんとの間取り持ってってお願いしたとき』
「いや、あれだけは無理に決まってんじゃん」
『…それにさっき、今日の分は使っちゃったもん』
「んえー、俺と付き合ってくれるなら、一生のお願いは使い放題プランよ?」
『あはっ、そうなの?』
「Aだけ、特別ね」
なんて言えば彼女はふにゃりと嬉しそうに笑って。
「好きだよ、A。だから俺の彼女になって欲しい」
『…一生のお願い?』
「うん、一生のお願い」
『…じゃあ凪も、ずっと私の傍に居てくれる?』
「一生のお願い?」
『うん、一生のお願い』
「そんなの願ったり叶ったりじゃん。任せて」
そう言ってキスを落とせば、彼女の顔はリンゴみたいに真っ赤に染まって。
「かわいい、顔真っ赤。ちょーかわいい」
『凪がデレデレしてる…』
「だってずっと好きだった子がやっと手に入ったんだよ?ちょっとくらい浮かれさせて」
そんな言い訳をしながら啄むみたいなキスを何回も落として。
それを一生懸命受け入れてくれる彼女が愛おしくて仕方なくて。
「今日は泊まってくでしょ?」
『うん、泊まる〜』
「今日からはもう我慢しなくていいんだよね?」
『え、何を?』
「え、ナニを」
『ナ…!?だめ!!まだだめ!!』
「え〜、俺いままで散々我慢して来たのに?」
『…もうちょっとだけ待って。一生のお願い』
「んぇー、今使うのはズルい」
『けど使い放題プランなんでしょ?』
「うへぇ、余計なこと言っちゃった」
そんな話をしながらも彼女は幸せそうに笑うから、まぁいいかと思えて。
『凪、おんぶして〜』
「だから俺、おぶられる専門なんだってば〜」
『一生のお願い〜』
「さっそくめちゃくちゃ乱用するじゃん」
『私だけの特権でしょ?』
「…もう、可愛いから許す〜」
『凪ってば甘すぎ〜』
「お前にだけね」
いつも以上に甘えてくれる彼女に頬が緩んで。
そんな俺たちが一生の誓いを交わし合うのは、もう少し先の話。
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chiito(プロフ) - ねう。さん» もしいい感じの話が思い浮かんで書けたら、またお付き合いい頂けると嬉しいです♡本当にありがとうございました!! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - ねう。さん» ねう。さん、勿体ないくらいのとっても嬉しいコメントありがとうございます!!凪にお前って呼ばれたい人生でした。。笑 そうなんです、玲王のお話も書けたらなぁと思いながら書いてたんです! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 一気読みさせていただきました。とても面白かったです…終始涙が止まらず、胸が苦しくて笑 冒頭から終わり方まですごく綺麗で、凄く素敵な作品だなと思いました。ごく稀にお前って呼ぶスタイルすごく刺さりました。アナザーストーリー的なで玲王の恋路も気になります笑 (2023年7月29日 10時) (レス) @page46 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - まぴさん» まぴさん、嬉しいコメントありがとうございます!!更新がんばりますので、これからもよろしくお願いします〜(^^) (2023年7月17日 12時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
まぴ - いつも楽しく小説見させてもらってます✨凪くん大好きなので嬉しいです!これからも応援してます! (2023年7月16日 23時) (レス) id: 860b8d9e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chiito | 作成日時:2023年7月16日 10時