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『やっと勝てた!ありがとう凪〜!』


そう言ってぎゅうぎゅうと抱きついて来る彼女は、完全に俺のことを信頼し切っている。
別に騙している訳でもないのだけど、こっちには下心しかないということに一向に気付く気配がない。


「よかったねー」
『うん!やっぱり凪は強いねぇ』
「普通でしょ」
『けど凪がいないと私このゲーム進められないもん』
「…ふーん」


ゲームだけじゃなくて、その他諸々もそんな風に思うようになればいいのに。
俺から離れてスマホの画面に視線を戻す彼女を見つめながらそんなことを願う。


「ねぇ、俺にもちょーだい」
『ほらー、結局食べるんじゃん』
「最初から食べないなんて言ってないでしょ」
『もう、なんだかんだ好きだよね。はい、どーぞ』


こちらの顔を覗き込みながら、したり顔で笑う彼女が一粒のグミを差し出す。
それを手で受け取らずにあー、と口を開けばいつも通りそこに運んでくれる。

正直グミは好きでも嫌いでもないしどうでもいい。
ただ彼女が食べさせてくれる物なら、何だっていい。

そしてそのグミなんかよりも、それを摘んでいる華奢な指先の方がよっぽど美味しそうに見えてしまって。


「んむ」
『痛ったぁ!?ちょ、指まで噛んだな!?』
「んまー」
『信じらんない、嘘でしょ〜』
「あー、ごめんねー」
『ねぇ痛い、ガリって言ったぁ…』
「えー、大丈夫?」
『うぅ、凪のばか〜』
「舐めれば治るでしょ」
『嘘だぁ』


なんて言いながらも俺に噛まれた人差し指をちゅう、と吸う彼女を見てほんの少し征服欲が満たされる。


『ねぇ、痛いままなんだけど』
「やっぱAってバカだよね」
『え、騙したの!?』
「舐めて治るワケないでしょ」
『もう、何でそんな嘘吐くの〜!?意味分かんない!』


うちの大学は偏差値も高いし彼女自身も賢いはずなのに、それは勉強に於いてだけの話なのだろうか。

簡単に騙されてしまう素直なキミはバカだと思う。
けれどそんなキミを可愛くて愛おしいと思ってしまう俺は、もっとバカなんだろう。


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身を焦がして粉にして→←大好きだから踏み出せない



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chiito(プロフ) - ねう。さん» もしいい感じの話が思い浮かんで書けたら、またお付き合いい頂けると嬉しいです♡本当にありがとうございました!! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - ねう。さん» ねう。さん、勿体ないくらいのとっても嬉しいコメントありがとうございます!!凪にお前って呼ばれたい人生でした。。笑 そうなんです、玲王のお話も書けたらなぁと思いながら書いてたんです! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 一気読みさせていただきました。とても面白かったです…終始涙が止まらず、胸が苦しくて笑 冒頭から終わり方まですごく綺麗で、凄く素敵な作品だなと思いました。ごく稀にお前って呼ぶスタイルすごく刺さりました。アナザーストーリー的なで玲王の恋路も気になります笑 (2023年7月29日 10時) (レス) @page46 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - まぴさん» まぴさん、嬉しいコメントありがとうございます!!更新がんばりますので、これからもよろしくお願いします〜(^^) (2023年7月17日 12時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
まぴ - いつも楽しく小説見させてもらってます✨凪くん大好きなので嬉しいです!これからも応援してます! (2023年7月16日 23時) (レス) id: 860b8d9e21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年7月16日 10時

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