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心も次第に異形に変わって ページ39

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『ご心配おかけしました!!』
「前より元気になってるじゃん」
『ってことで快気祝いしよ!!』


熱は一晩ですぐに下がったらしく、翌日は俺のバイトがあったせいで一緒に居られなかったけど。
その次の日に再び彼女の様子を見に行けば、以前にも増して元気な彼女が出迎えてくれた。


『午後から19時までバイトだから、そのあと飲みにでも行かない?』
「もう本当に平気なの?」
『うん、完全復活ー!』
「そりゃ良かった」


熱が出てしおらしかった彼女もかなり可愛かったけど、やっぱりいつも通りの彼女が一番可愛くて。


「じゃあ終わる頃にバイト先まで迎えに行く?」
『それだと凪が大変だし、駅前で待ち合わせにしよ!』
「別にいいのに」


そんな約束をして午前中は彼女の家でダラダラ過ごして、バイトに行く彼女を駅で見送って。
それから夕方になって彼女が駅に着く頃、よく待ち合わせをする場所に立っていたら、


「お兄さん、お一人ですか?」
「……」
「すっごく身長高いんですね!何cmあるんですか?」
「…アンタたち誰」


気付けば知らない女の人たちに両サイドを挟まれていた。


「お兄さんすっごいカッコいいよねって二人で話してて!」
「よかったら一緒に飲みに行きません?」
「無理、人待ってるし」
「あ、お友達ですか?それならお友達も一緒に」
「…めんどくさ」
「え〜っ、そんな冷たいこと言わないでくださいよ〜」


そう言って身体を寄せて来た女は、彼女と違ってキツい香水の匂いがする。
うんざりしながら辺りに視線をやれば、駅の建物の陰に隠れてこちらの様子を覗く彼女を見つけて。


「…あ、いた」
「あ、お友達来ました?」


ウロチョロと着いて来る女たちを無視して彼女の方に足を進めれば、彼女は何故か慌てていて。


「もう、こんなとこで何やってんの」
『…凪のこと待ってた』
「場所違うでしょ」
『だって凪、可愛いお姉さんたちに囲まれてたし…』
「は?お前の方が可愛いに決まってるでしょ」
『は…!?ちょ、変なこと言うのやめて!!』
「変じゃないし、やめないし」


彼女は何故か逆ナンして来た女たちに遠慮しているようで、意味が分からなくて。


「悪いけど俺この子にしか興味ないから」
「えー、残念」
「…行こー」
『あ…、行っちゃった』
「何、4人で飲みに行くつもりだった?」
『…そうじゃないけど』
「じゃあいいでしょ。ほら、行くよ」


そう言って彼女の手に指を絡めて歩き始めた。


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chiito(プロフ) - ねう。さん» もしいい感じの話が思い浮かんで書けたら、またお付き合いい頂けると嬉しいです♡本当にありがとうございました!! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - ねう。さん» ねう。さん、勿体ないくらいのとっても嬉しいコメントありがとうございます!!凪にお前って呼ばれたい人生でした。。笑 そうなんです、玲王のお話も書けたらなぁと思いながら書いてたんです! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 一気読みさせていただきました。とても面白かったです…終始涙が止まらず、胸が苦しくて笑 冒頭から終わり方まですごく綺麗で、凄く素敵な作品だなと思いました。ごく稀にお前って呼ぶスタイルすごく刺さりました。アナザーストーリー的なで玲王の恋路も気になります笑 (2023年7月29日 10時) (レス) @page46 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - まぴさん» まぴさん、嬉しいコメントありがとうございます!!更新がんばりますので、これからもよろしくお願いします〜(^^) (2023年7月17日 12時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
まぴ - いつも楽しく小説見させてもらってます✨凪くん大好きなので嬉しいです!これからも応援してます! (2023年7月16日 23時) (レス) id: 860b8d9e21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年7月16日 10時

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