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「ならないけど。何でそう思うの?」
『自分で言うのもアレだけど、結構抜けてるじゃん、私』
「そうだね」
『困ったらすぐに凪のこと頼っちゃうし。…その、もっとしっかりした人の方がいいとか思わない?』


伏し目がちにそう呟いた彼女に、少しは前向きに俺のことを考えてくれているのかな、なんて期待してしまう。


「んえー、そんなこと思ったことない」
『…でも、ずっと一緒に居たら、めんどくさくなるかも』
「そもそも俺たち結構ずっと一緒に居ない?1年の頃から大学休みの日も一緒に居たりするし」
『…たしかに』
「でしょ?元々は人とずっと一緒に居るのは苦手だったけど。Aと一緒にいてそう思ったことないし」
『そうなの?』
「うん。…むしろAと会えない日はちょっと寂しかったりする」
『…凪も寂しいと思ったりするの?』
「A限定ね」
『…へへ、そっか。それなら良かった』


なんてはにかみながら言うから、それが可愛くて思わず抱きしめる。


「いつも俺のこと頼ってくれるの、嬉しいんだよ」
『そうなの?』
「うん、A限定でね。なので是非とも前向きにご検討くださーい」
『…ふふ、はぁい』


そんなやり取りをして、そのあとは彼女が作ってくれたごはんを食べて、一緒に片付けをして、だらだら過ごして。


『ありがと凪、こんな遅くまで居てくれて』
「こちらこそ、ごはんご馳走さまでした。…もう、そんな寂しそうな顔しないの」
『ん、ごめん』
「明日、泊まりに来る?」
『…いいの?』
「いいよ。本当は今日こっちに泊まれればいいんだけど」
『んーん、こんな時間まで居てくれて嬉しかった』
「Aちゃんは寂しがり屋だからねぇ」
『…ごめんね』
「いいよ、可愛いし」


そう言って抱きしめれば嬉しそうに顔を埋めるから、脈ありか?なんて思ってしまう。


「じゃ、ちゃんと鍵閉めてね」
『うん、分かった』
「おやすみ、A」
『おやすみ、凪。気をつけて帰ってね』
「ん」


軽く手を振れば少し寂しそうにしながらも笑って手を振り返してくれて。
やっぱり今日も愛おしかったなぁなんて思いながら一人で帰り道を歩いた。


.

やけに気だるい夜も→←.



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chiito(プロフ) - ねう。さん» もしいい感じの話が思い浮かんで書けたら、またお付き合いい頂けると嬉しいです♡本当にありがとうございました!! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - ねう。さん» ねう。さん、勿体ないくらいのとっても嬉しいコメントありがとうございます!!凪にお前って呼ばれたい人生でした。。笑 そうなんです、玲王のお話も書けたらなぁと思いながら書いてたんです! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 一気読みさせていただきました。とても面白かったです…終始涙が止まらず、胸が苦しくて笑 冒頭から終わり方まですごく綺麗で、凄く素敵な作品だなと思いました。ごく稀にお前って呼ぶスタイルすごく刺さりました。アナザーストーリー的なで玲王の恋路も気になります笑 (2023年7月29日 10時) (レス) @page46 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - まぴさん» まぴさん、嬉しいコメントありがとうございます!!更新がんばりますので、これからもよろしくお願いします〜(^^) (2023年7月17日 12時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
まぴ - いつも楽しく小説見させてもらってます✨凪くん大好きなので嬉しいです!これからも応援してます! (2023年7月16日 23時) (レス) id: 860b8d9e21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年7月16日 10時

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