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「凪〜!」
「おー、玲王」
「悪ぃ、少し時間あるか?」
「A待たせてるから、ちょっとだけなら」
「オッケー、なら最重要事項だけ伝えるわ」
「え、何…?」
用事を済ませてAのところへ戻る途中、玲王から声をかけられて。
それがきっと彼女に関することだろうと思うと、胸が騒ついた。
「Aちゃんは俺のこと好きじゃねぇぞ」
「…は?」
「お前、何か勘違いしてんじゃねーかと思って」
「いや、まぁ…してたけど」
「やっぱり」
何故玲王からそんなことを聞くことになったのだろう。
まさかAは玲王本人に直接、好きになろうとしていたことを伝えたのだろうか。
「俺としたことが、だいぶ余計なことしちまった。そもそもお前を合コンに誘ったのは間違いだった」
「あんなめんどくさい会に無理やり連れてっておいて今更そんなこと言う?」
「それは本当に、マジでごめん」
「…Aから何か聞いたの?」
「んー、まぁ俺からは何も言えねぇけど」
「ふーん、そっか」
どこまで聞いたんだろう、なんて少し気になりつつも先程の出来事で俺もようやく覚悟が決まったところだった。
「まぁいいや。今日ので俺も踏ん切りついたし」
「おい、それって」
「もう一回ちゃんと告白しようと思う。…あの子にも分かりやすいように」
「…おぉ、そうか」
「聞いたかもしれないけど、告白したのに気付いてもらえなかったんだよねぇ」
「…みたいだな」
「思ってた以上の鈍感だった」
「意外とぶっ飛んでるところあるよな、あの子」
「そうなのよ〜」
玲王に宣言してしまえば、何だか気持ちがスッキリして。
「…でもよかった、凪が諦めるとか言わなくて」
「んー、思ってた以上に好きだったみたい」
「まぁあの凪が人のメシの心配するようになったくらいだもんな」
「んえー、マジで何聞いたの?」
「昼飯前にケーキ食べたら凪に怒られるって話」
「あぁ、それね」
「あの子から凪の話聞くと別の誰かこと聞いてるみたいで本当おもしれぇわ」
そう言って玲王は楽しそうに笑う。
「見ててよ玲王、俺ちょー頑張るから」
「おう、頑張れ!」
「振られたら慰めてねー」
「そうなったら傷心旅行でも行こーぜ!」
「えー、それはめんどくさい」
「お前なぁ」
そんな話をして玲王と別れてから、彼女の元へと向かった。
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chiito(プロフ) - ねう。さん» もしいい感じの話が思い浮かんで書けたら、またお付き合いい頂けると嬉しいです♡本当にありがとうございました!! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - ねう。さん» ねう。さん、勿体ないくらいのとっても嬉しいコメントありがとうございます!!凪にお前って呼ばれたい人生でした。。笑 そうなんです、玲王のお話も書けたらなぁと思いながら書いてたんです! (2023年7月30日 16時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 一気読みさせていただきました。とても面白かったです…終始涙が止まらず、胸が苦しくて笑 冒頭から終わり方まですごく綺麗で、凄く素敵な作品だなと思いました。ごく稀にお前って呼ぶスタイルすごく刺さりました。アナザーストーリー的なで玲王の恋路も気になります笑 (2023年7月29日 10時) (レス) @page46 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - まぴさん» まぴさん、嬉しいコメントありがとうございます!!更新がんばりますので、これからもよろしくお願いします〜(^^) (2023年7月17日 12時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
まぴ - いつも楽しく小説見させてもらってます✨凪くん大好きなので嬉しいです!これからも応援してます! (2023年7月16日 23時) (レス) id: 860b8d9e21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chiito | 作成日時:2023年7月16日 10時