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先生 (トミー) 0.1 ページ16

いつからだろう、こんなにも
好きでたまらなくなったのは。


入学式の日、俺は科目の担当はあるものの
クラス担任は引き受けていなかったため
学校内の見回り、ということで
駐輪場の整理や、遅れてきた保護者の案内など
を行なっていた。

遅れてくる保護者も見えなくなった頃
校門の方に向かってみると
もうとっくに新入生や他学年の生徒は
体育館に入っていてもおかしくないのに
1人の少女が、ぼーっと校門の桜の木の下で
立ちぼうけていた。

学年ごとに色分けされている校章を見ると
どうやら1年生のようだった。

「どうしたの、こんなとこで
早く行かないと入学式始まっちゃうよ」

そう声をかけても、彼女からはなにも返答はない

立ちぼうけている彼女の目線の先を見つめると
満開の桜の花が太陽の光に照らされて
美しく咲き乱れていた。

「綺麗だな…」

そうボソッと呟くと彼女は
え?とびっくりしたような声を上げた。

「やっと気づいた?」

そう聞くと
彼女は目をまん丸にしてこくんと頷いた。

「…入学式もう始まってると思うけど
行かなくていいの?」

そう聞くと、少しの沈黙の後
彼女は静かに首を振った。

「…なんか、あの空間が息苦しくて
私あんまり好きじゃないんです…
体育館に大勢人が集まるの…」

「…そっか…だったらいいんじゃない?
少しくらいサボっても」

「…え?」

「息苦しくなるんでしょ?
だったらいいじゃん、もうちょいここにいたら」

「…てっきり体育館に帰されると思ってました」

きょとん、とする彼女の顔を見て
思わず笑みがこぼれる

「桜、綺麗だな、ほんと」

「…ですね…ほんと」

そんなことを話していると、体育館からぞろぞろと
保護者の人たちが出てくるのが見えた

「ほら、そろそろ戻んないと、友達できねぇぞ」

「あ…そう…ですね」

途端に彼女は不安そうな表情を浮かべたかと思うと
下を向いて黙り込んでしまった。

まるで、昔いじめられてた
自分を見ているみたいだった。

「大丈夫だって、誰でも最初は不安なんだから
気楽に行け、な?」

そう言って、頭をぽんぽんと撫でると
彼女は、また目をまん丸にしながら
顔をこちらに向けたかと思うと

頬を少しだけ赤らめて、なにも言わずに
安心したかのようにふわっと優しく微笑み
ありがとうございます。
と一言残し教室へと走り出していった。


このときから、もうすでに俺は


桜の花びらと同じように


ゆっくりと恋に落ちていたのかもしれない。



fin

シンデレラ (カンタ) 1→←作者より



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マリン - シンデレラの話すごく良かったです!あとリクエストなんですけど、カンタくんとみんなには秘密で付き合ってる設定の話が見てみたいです!出来たらでいいのでお願いします! (4月30日 19時) (レス) id: f743f30378 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最高過ぎました!!トミーさんのもっとみたいです!! (4月22日 17時) (レス) id: 5fbdf69980 (このIDを非表示/違反報告)
ふなっちぃ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます。すぐに対応させていただきました。 (4月22日 16時) (レス) id: 7686772828 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - この作品はオリジナルフラグ対象作品ではありませんのでオリジナルフラグを外してください。 (4月22日 16時) (レス) id: 34346084b5 (このIDを非表示/違反報告)
黄色 - 良かったです。これからも頑張ってくださち (4月22日 16時) (レス) id: 2a718ccb0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふなっちぃ | 作成日時:2017年4月20日 15時

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