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9話 ページ9

凛月君はズルズル…という効果音を立てながらこっちに向かってくる。なんかこういう妖怪いそう。テケテケ亜種みたいな感じの。

流石に倒れてた子を歩かせるのはアレなので私も彼に向かって小走りする。前に家の廊下を走ったら般若を背負ったお母さんに凄い怒られたからである。
ちなみに両親は見守ってくれてる。早めに終わらそう。

さて、無事に凛月君のもとへ辿り着いたが、お互い無言。どうしようこの空気。めっちゃ気まずい。零君と同じように見つめ合ってればいいのか?凛月君、顔反らしてるけど。

「…外で倒れてたけど、大丈夫だった?」
「……アンタが見つけてくれたの?」
「うん。どうして外にいたの?もし見つからなかったら危ないよ?」
「…」

無言やめろや。会話するの下手か、お前。
ついついお前と言ってしまうのも無理はないと思いたい。ずっと顔反らしてるし。目を合わせろ。

「………お兄ちゃんとちょっとケンカしたから。」

あらまぁ。ケンカした勢いで外に出て、結果倒れたのか。今は梅雨も終わり、本格的に日差しと気温が上がる前だ。ある意味良かったと思う。
子供って地面に近いから照り返しや、熱を逃がしにくからね。それに加え体質で日光に弱いこともある。

「虫刺されとかあるから、今の時期に外にいるの危ないよ?太陽も出てきてるもん」
「…倒れて皆に心配かけたのは悪いと思ってる」

少しムスッとしながら答えてくれた。 かわいいし顔がいい。
ぽつぽつと事の顛末を話してくれる。

凛月君、今日は朝から体調があまり良くなかったらしい。一人で寝てるのも寂しいからお兄ちゃんに付き添って貰おうとしたけど、今日は親族の集まりがある。零君は前から準備の手伝いを頼まれたらしく、凛月君の付き添いが出来なかった。それに拗ねて外に出たと。

他人目線だと、めっちゃかわいい理由だ。
あんまり詳しく知らないけど零君、頼まれたら断れなさそうだよね。偏見かもしれないけど、私にはそう映った。

「零君も凛月君探してたよ?きっと沢山探してくれてたと思う。」
「…後でちゃんと謝る。」

ヤダいい子。零君もかわいい弟の頼みだ。絶対許すだろう。うんうん、とひとり頷いてると凛月君が顔を合わせた。

「俺は凛月。アンタ、名前は?」
「常闇Aだよ。もう帰っちゃうけど、今度は君が元気なときに話したいな」

廊下が暗いせいなのか、丹色に輝く瞳を覗きながら言う。今回の集まりでは二人共あまり話すことが出来なかった。次はガンガン行こう。

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イッシー(プロフ) - とても面白かったです!続き楽しみにです‼︎ (2022年1月8日 2時) (レス) @page14 id: 38d413f226 (このIDを非表示/違反報告)
清掃員C(プロフ) - 続き楽しみにしてます……! (2021年8月2日 9時) (レス) id: 3f76f8d206 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chika | 作成日時:2021年7月17日 13時

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