【あんスタ】好き勝手に生きようかと思う。 (ページ7)

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７話ページ7

降りかかる視線が痛い。確かに見つけたのは私だ。けど見つけるのは誰でもできる気がする。

凛月君を発見した時を頭に思い浮かべる。ほんの十数分前の出来事だ。
はっきりでは無いが思い出す。凛月君が寝ていたのは植木の内側だったが、靴が外に出てたので見つけることが出来たのだ。逆に、靴が出ていなければ見つけるのは不可能だった。

その旨を零君に伝えたが、依然視線が落ち着くこともなく、

「そんな簡単に凛月が見つかるか…？」

なんて声を漏らしながら考え込んでいる。
そんな事を言われましても…、なんてうんざりしたので耳を遠ざける。

この話嫌だから辞めて、という言葉は決して初対面の子に言うべきではないだろう。
それに自分のご機嫌取りは何回もしてきたのだ。苛立つライン位は自然と分かる。他人に平然と迷惑をかける程図太くない。

話から意識を飛ばしていると玄関の方から足音と声が聞こえる。他の親戚の人たちが到着したのだろうか。
二人も物音に気づいたみたいだ。ただ、我が母上は眉間にシワを寄せている。零君はお母さん程ではないが心做しか嫌そう。何故に？

親戚の人たちに会うのって楽しみじゃないの？前世では普段会えない分、服装やメイクに力入れて楽しみに待ってたんだけど。
困惑してると続々と人が入ってくる。私はお母さんの背中に隠されている。えっ。
すると真赤と言う言葉が似合う服を着た女性に話しかけられた。

「お久しぶりです」
「お久しぶりねぇ。会わないから、何処かで野垂れ死にしてるのかと思ったわ～」

お母さん？
微笑んでるけど相手のこと罵倒してない？めっちゃ睨まれてるよ。怖っ。
勢いのある罵倒にビビり服にしがみつく私。3歳だもの。

「その子がAちゃん？」
「ええ、私の娘よ。貴方と違って賢いのよ～」

女性がお母さんに話しかけ、お母さんも一言嫌味をつけて返す。なんか手慣れてない？

そしてなんとなく、お母さんがあんなに罵倒する理由がわかった。視線が、どうしても私を見下す、見定める様に感じる。
3歳児にする視線か？普通この位の幼女には微笑ましい視線だろうが。ガン飛ばすぞ。

ガン飛ばす私を見ずに、女性は零君のほうに向かっていく。何だアイツ。
零君はと言うと、凄い囲まれている。勿論、大人に。そしてその中で発揮されるビジネスマンスマイル。
…彼の笑顔が完璧な理由がわかった。

お母さんに連れられて大きな机がある部屋に入る。今から食事をしつつ話し合い等をするのかな。
一波乱ありそうだ。