俺らが紫耀を守るから35

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平野side

平「はぁはぁはぁっ…」



体が熱くて息が苦しくてどうしようも無く気持ち悪い。



平「うっ…」

永「しょおええよ」

平「おぇぇぇ…」



誰かの声とともに洗面器が現れて、思わずそこに吐き出す。

もう何回吐いたのかな。
吐いても吐いても気持ち悪い。



永「しんどいなぁ」

平「…ぅ……はぁっ…はぁっ…」

永「…飯も食われへんし、、水分も取れてへん…」

平「はっ、、はぁっ……ゲホッ…」



こうなってからどれくらい経ったんだろ。
俺はもう何日も経ってるような感覚がするけど。



永「しょお、水飲まへん？」

平「…はっ…はっ…」

永「ちょっとだけ……(ピシャッ)…あかんか…」



どうなっちゃうのかな俺。





永瀬side

口元に持っていった水も口の端からこぼれ落ちてしまった。

水も飲めないしずっとしんどそうで、どうしたらええんやろ。



それからもしばらく看病を続けて、起きた優太が謝ってきたけど声でかいから追い出した。



平「…」

永「しょお？」

平「スー…スー…」

永「寝てる…」



寝れてるってことはかなり落ち着いたんやろう。

さっきは高かった熱もやっと引いてきた気するし。



永「かわいそうで見てられへんかったし」



ロタウイルスは確実に菌を殺す薬がないから、吐いたり下痢したりで菌を外に出すしかないなんて。
そんなんしんどすぎるよな。

吐き気止めもあかんらしい。
菌を出すチャンスを止めることになるんやってさ。



永「はぁ…」



なんで紫耀ばっかりしんどい目にあうんやろうな。

代わってあげれたらええのに。



平「…れん？」

永「……え？」



声がした方に目を向けると、うっすらと目を開けた紫耀がこっちを見ていた。



平「どう、したの…？」

永「…え、なにがなん？」

平「つらそうな、顔、してる……ケホッ…どうしたの？」

永「辛そうな顔…」



こんな時まで俺の心配して。
まだしんどいはずやのに。



平「…なんでも、、聞くよ？」

永「ははっ、あほ。なんでもないで。もう気持ち悪さはないん？」

平「…ん、ありがとね」

永「ええよ。よう頑張ったな」

平「れん、手…握って…」

永「ふっ、甘えん坊なん？」

平「…ん」



どうやら自覚はあるらしい笑


優しく手を握ってやると、安心したのか徐々に瞼が下がっていき、また寝息が聞こえてきた。


ほんま、子どもやん。


目の前にある無防備な寝顔に、ついつい昔を思い出して、思わず一人で笑みがこぼれたのは内緒の話な。

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