俺らが紫耀を守るから29

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岸side

岸「こっちだ！」

神「しょうっ、休もうな！」

平「はぁっ、、はぁっ…」



あと少しなのに紫耀の体調は悪くなっていく一方。

そりゃあそうだ。
点滴の効き目なんかとっくに切れてる。

そんな状態で舞台に立ち続けてるわけだし、すでに倒れてたって全然おかしくない。



岩「しょお、気持ち悪くない？」

平「…ごめっ、、ちょっ…と、、きもち…わるぃっ……」

岩「うん、気持ち悪いね。海人！袋貸して！」

高「わかった！」



海人が慌てて持ってきた袋に、紫耀が勢いよく戻し始めた。

相当きつそうだ。



平「おぇっ…はぁはぁ…うっ…おぇぇっ…」

永「よう我慢した。全部出してまい」



廉が背中をさすって、神が周りから見えないようにバスタオルを紫耀の前に広げた。

ここにはジュニアやスタッフさんが普通にいるから、紫耀はこんな姿見られたくないはず。

さすが神。



平「なんか…くらくら…する…」

永「めまいか…。貧血かもな」

岩「しょお、あと少し頑張れそう？…もし厳しかったらここで…」



玄樹はそこまで言うと口をつぐんだ。

その後の言葉はきっと…




「ここで棄権しよう」






平「だいじょうぶ…。やる…」

岸「しょう…」

平「もう…嫌だ…。悔しい思いは…やだから…」

高「…しょお…」



きっと紫耀が言っているのは、昔盲腸になった時のことだろう。

俺らと同じ舞台で座長をしていた紫耀は盲腸と闘いながら舞台に立っていた。

あの苦しそうに顔を歪めていた姿は、未だに脳裏にこびりついてる。


でもそんな中で座長として舞台をやり遂げた紫耀はほんとに立派だった。



高「…やり遂げよう、６人で」

永「海人…」

高「俺、もうあんなしょお見たくないんだ。あの悔しそうな姿、見たくない」

平「海人、、ありがとう」



改めて円陣を組んで気合を入れ直した。

きっとやり遂げられる。


そこからはただがむしゃらに舞台をこなした。
幕間には点滴を打って休ませた。

舞台上の紫耀は不調を感じさせないくらい堂々としてて。
やっぱさすがだよ。






パチパチパチッ


拍手と共に幕が下りていく。

最後まで６人で、俺らはやり遂げたんだ。



神「終わっ…た…」


平(フラッ)



緞帳が下がり切った瞬間、紫耀の体が綺麗に前に傾いて、スローモーションで床に倒れた。



永「しょお！！」

岩「しょおっ！」



驚く周りのジュニアたちを俺たちが落ち着かせてる間に、神と廉が素早く紫耀を抱えて舞台袖に消えていった。

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