俺らが紫耀を守るから29

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神宮寺side

岸「まじかよ…」

永「だから…助けてやってほしい」

岩「それは当たり前だけど、さ…」

永「え？」

神「俺らが言いたいのはそういうことじゃないよ」

高「…なんで…黙ってたの？」



そう。
俺らが怒っているのはそこ。

なぜ俺らに何も話してくれなかったのか。



永「それは…」

神「俺らそんなに頼りない？」

永「…」

岸「２人で隠せると思った？」

永「…ちが…」

岩「俺ら、今知ってすごい寂しいよ。しょおが辛い思いして稽古してたの全然知らずに…。苦しんでたのも通院してることもなにも…悔しいんだよ」

高「言って欲しかった。俺らには…言ってほしかった」

永「ごめん」



部屋の中にはなんとも気まずい空気が流れた。

紫耀は静かに眠っていて、廉は俯いてる。



でも、もっと聞きたいこといっぱいあるけど、今はそんな場合じゃないよね。



神「もうすぐ本番だから、話は帰ってからにしよう。とりあえず俺らでしょうをサポートする」

永「ああ。ごめんな、ありがとう」

岩「幕間の間で点滴打てるようにした方がいいよね？」

永「ああ、それはもう手配してもらってる。できる限り休めるところは休ませて、激しい動きのところはセーブするしかないから」



舞台は今日が初日。
何が不安って、初日って本当に何が起こるかわからないんだ。
体に慣らすまでも時間がかかる。

だから俺らもサポートしきれるのかってことが不安要素。
自分のことだけで必死になりそうで。



岩「そろそろ着替えないとまずいよ」

岸「だな。しょう、しょう起きて」

平「…ん」

神「しょう着替えよう」

平「えっ、、みんな？」

高「話は聞いた」

平「…ごめん」

神「とりあえず今は舞台だよ。俺らが全力でサポートするから。ここで着替えよう。岸くん、しょうの衣装持ってきてもらっていい？」

岸「おう、任せろ！」



紫耀は申し訳ないと思ってるのか、何とも言えない暗い表情で俯いてる。

ったく、、本番前だってのに。



神「しょう、そんな顔でティアラたちの前に出るつもり？」

平「えっ」

岩「ダメだよ暗い表情は。俺らは観に来てくれた人たちを笑顔にするのが仕事でしょ」

平「…そうだな」



岸くんが持ってきてくれた衣装に着替えさせ、俺らも準備に取り掛かった。

開演前の舞台袖って本当にバタバタ騒がしいんだよ。
しかも初日だと余計にね。

紫耀がすぐ休めるように、舞台袖には簡易ベンチを置いてもらった。


俺らは全力で舞台に立つだけだ。

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