俺らが紫耀を守るから26

初めて友達ができた日６ ページ47

ひょこっ…


紫「んー…」

女「どうしたの？」

紫「えっ！！あっ、えと…永瀬廉くんって…」

女「永瀬くん？あそこだよ。永瀬くーん！」

紫「あっ、いやっ…」



廉くんのクラスを目立たないように覗きに来たら、女の子に大声を出される始末。

思わずドアの後ろに隠れた。



廉「なんや」

女「この子が探してたから」

廉「…ん？おうっ、しょおやんか！」

紫「おはよう…」

廉「…あっちいこか」



僕がいづらく感じてるのに気づいたんだろう。
廉はそういうところに敏感だから。

手を引かれて廊下の方に連れていってくれた。



廉「風邪は？もういいんか？」

紫「う、うん。この前はありがとう」

廉「ん？俺なんかした？」

紫「…うん。あっ、それだけ言いたくて。じゃあまた」



あまり長居するのもと思って引き返そうとしたら、「ちょー待ってや」と腕を掴まれた。



廉「もう行くん？もう少し話そうや」

紫「えっ、でも…れん、、友達と話してたし…」

廉「え？あー全然ええよ。それに俺の親友はしょおやで」

紫「…えっ！…親友…？」

廉「おう、親友やろ？」

紫「…うんっ」



親友…

そんなこと初めて言われた。

友達ができればいいと思ってたけど、、親友か。
嬉しい…



廉「なんや嬉しそうやけどどしたん？」

紫「えっ！…んーん！じゃあまたねれん！」

廉「えっ？お、おう！」



親友。

嬉しいな。

僕にも親友ができた。








講「本日から新しいメンバーが加わります」



ダンスの先生に肩を引かれた小柄な男の子。
顔は彫りが深めではっきりとしてる。



講「お名前言えるかな？」

海「…たかはし…かいと…です」

講「海人くんです。みなさん、今日から仲間だから仲良くしてね」

全「「はーい」」



大人しそうな子だ。
僕と気が合うかな…？








紫「…うわぁ…」



大人しそうなその子は、踊ったら別人だった。

とにかくダンスがキレていてめちゃめちゃうまい。

周りの子とは桁違いだった。



紫「あ、あの…」

海「…」

紫「あのっ…」

海「…え！ぼ、ぼく？」

紫「うん」



休憩になっても一人でいるその子の側に行って話しかけてみた。



紫「ダンスうまいね。習ってたの？」

海「うん…幼稚園から…」

紫「へー。僕は始めたばっかりだからすごいなって。あの…よかったらここ教えてくれないかな…？」

海「うん、いいよ」



その日から、ダンススクールでは海人と一緒にいるようになった。
友達が増えるって嬉しい。

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