俺らが紫耀を守るから26

3 ページ32

平野side

マ「平野、平野ついたよ」

平「…ん、、あっ、ありがとうございます」



気づけば熟睡していたらしく家の前にいた。



マ「今日はゆっくり休め。明日は久々に午後からだしな」

平「はい。お疲れ様でした」



マネさんにお礼を言って、重い足をひきづりながら玄関の前にたどり着いた。



平「…はぁ」



しんどいな。
なにもかも。


家の中からは温かな明かりが漏れていて、俺がこんなところにいていいのかなとも思ってしまう。



平「…入ろ」



ゆっくりと音を立てずにドアを開け、静かに靴を脱いでリビングの前を通り過ぎる。


今の俺には温かすぎるから。
とても入れないよ。



平「…ふっ、、くっ……なに泣いてんだよっ…」



全て自分のせいじゃん。

仕事のミスもそう。
怒られるのは俺ができてないから。


なのになんでこんなに涙が止まらないんだろう。




ガチャ


パタン




平「ぅぅ…ふぇっ、、ぇぇ…」



苦しいよ。
しんどいよ。

誰かに助けて欲しい。



平「うっ、、くっ…うっぅぅ…」



ドアにもたれかかると足の力が抜け、ずるずると座り込んで泣きじゃくった。





トン…トン…




平「はっ…」



誰か上がってくる。


部屋の電気は消したままだからいるのはわからないはず。

今みんなに会いたくない。
みんなの顔見たら、我慢していたものがはちきれそうだから。



声を殺して耳をすませていると、そのまま俺の部屋の前を通り過ぎ、奥の方でドアの閉まる音がした。

岸くんか海人あたりかな。



平「ふぅ…」



袖びちゃびちゃになっちゃった。

着替えよう。

明日は午後からだし、お風呂は朝にしてもう寝ることにした。


目腫れちゃうかな。
結構泣いてしまったから腫れないといいけど。


部屋着に着替え、のそのそと布団に潜り込んで目を閉じた。








「もう来ないでくれる？」

平「ごめんなさいっ…」

「まじで調子乗んなよ」

平「すみませんでした…」

「いいよな売れっ子は」「消えろよ」

平「いやっ…ごめんなさいっ…！…」








バッ

平「はぁっ…はぁっ……」



また悪夢だ。
最近まともに寝れた試しがない。

そんなんだから収録中に寝るなんてこと…
絶対許されないのに。



平「はぁっ……けほっ、、はぁはぁ…」



しんどいなほんとに。

心も体も。



その日、夜中に目が覚めてから一睡もできずに朝が来てしまった。


体は鉛のように重い。
また仕事でミスしたら…



ちゃんとしないと。
ちゃんと…

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す