俺らが紫耀を守るから26

special day 岸くん３ ページ27

岸side

岸「おつかれさまでーす」

ス「岸くん誕生日なんだって？おめでとう！」

岸「ありがとうございますっ！」

ス「岸くんおめでとう！いい日にしなよ！」

岸「あざす！」



スタッフさんにはたくさんおめでとうを言ってもらったのに、心にはポッカリ穴って感じ。

だって一番言って欲しいやつらに言ってもらえてねぇんだもん。



岸「はぁ」



これから全員での仕事か。
みんなに会いたいような、会いたくないような。



ダンススタジオに着くとすでにみんなが集まっていた。



永「優太おつかれ」

岸「おつかれ」

岩「岸くんおつかれー」

岸「おーおつかれ」



別に普通なんだよな。



岸「えっ、しょうも連れてきたの？」

高「そうだよー！」

神「一人でお留守番させられないしね」

岸「でも誰が見てたの？」

神「れん」

岸「あっ、やっぱり笑」



廉が他の奴らに紫耀を任せるわけないから。
聞かなくともわかってたよ。



高「…れんばっかしょお一人占めしてずるい」

平「んー？かいどうしたの？」

高「ううん！なんでもないよっ♪」

神「わかりやすいな笑」



平和な楽屋の中も今日は違う。
俺の気分はブルーになりつつあるよ。




岸「はぁ…」



くいくい



岸「ん？」

平「きしくん」

岸「どした？」



ソファに腰掛けた瞬間に俺の袖をくいくいと引っ張っている。



平「いっしょきて」

岸「え？ちょっ、まっ…えっ？」



引っ張られるがままに楽屋の外に連れ出され、辿り着いたのは自販機の前。



岸「えと…」

平「だっこ」

岸「だっこ？…あーだっこね！おっけー」



紫耀を抱き上げると、じーっと見られてる気がする。



平「いいよ」

岸「え？」

平「きしくんにぷれぜんと！すきなのえらんでいいよ！」

岸「…しょうっ…」



やばい。
その天使の微笑みだけで泣けてくる。



平「なにがいー？」

岸「いやでも…」

平「いーの！はやくー！」

岸「じ、じゃあ…これかな？」

平「えっと、ひゃくにじゅうえん…。ないな。いちまんえんでいいや。あっ、ごひゃくえんあった！んー…おれはー、これ！」



ガコンッ



子どもには似つかわしくない諭吉が現れたけど、下ろしてという紫耀を下ろして、小さな体でとりあえずお釣りとジュースを回収中。



平「きしくんはいっ！」

岸「ありがとな！」



えへへ…と笑う紫耀の頭を撫でて、そばのベンチで２人で乾杯。

缶ジュースがこんなに嬉しいのは初めてだ。
こんな誕生日もいいもんだな。

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