【A3!】同期と先輩【茅ヶ崎至・卯木千景】

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「茅ヶ崎さん、おはようございます」

「卯木さん、おはようございます」

朝、茅ヶ崎と先輩が出勤したらしく、エレベーター前が騒がしくなった。これは前からあったが、先輩が劇団に入ってから一層騒がしくなったと思う。

「茅ヶ崎に先輩。朝から2人で出勤ですか。相変わらず仲良しですね」

私はエレベーター横の階段から、顔を出した。そしたらまた騒がしくなる。みんな、朝から元気だなぁ。

「立花も、朝からよく階段で上がろうと思えるね」

「茅ヶ崎が褒めるなんて、珍しいね。何か変なもの食べた？昨日の夕飯とか」

「昨日の夕飯はカレーだったな」

「4日連続ですけどね」

茅ヶ崎は深くため息をつく。先輩はそれとは反対に嬉しそう。さすがの私も4日連続カレーは嫌だな。実家にいる時は、ほとんどそんな感じだったけど。

そういえば最近いづみから連絡来てないな。茅ヶ崎の話の中にちょくちょく出てくるから元気なのはわかってるんだけど、たまには声も聞きたいなと思う。シスコンって訳では無い。話を聞く回数が増えたからこそ、気になることだってある。

「茅ヶ崎に先輩。いつか寮に遊びに行きたいです。いつになったら誘ってくれるんですか？」

1回も寮に行きたいなんて話したことないけど、ある体で言ってみる。茅ヶ崎はまたかみたいな顔してるし、先輩は笑ってる。

「立花が寮に来るなら、部屋片付けないとな」

「あー。じゃあそのうちな」

そう言うと2人は、営業部と書かれている部屋に入った。

「茅ヶ崎のそのうちは、絶対来ないだろ」

私はそう呟きながら、二人のあとを追い部屋に入った。

「はいこれ。今日の打ち合わせで使いたいデータ。13:00までにまとめておいて。よろしく」

デスクに着くと、待ってました！と言うように上司が大量の仕事を持ってきた。上司が言うデータは紙媒体で、箇条書きで書かれている打ち合わせで使いたい資料名。そして%表示では無い統計データ。これを13:00まで。もともと今日・明日提出の資料が多く、最終確認をしたいのに午前中ほぼこれで潰れるとか。マジ笑える。昼抜き＆残業コースだな、これ。

ってか、何であいつ(上司)はほとんど私に仕事持ってくんだよ。それもこんな緊急の。明らかに暇そうに爪いじってる奴いるだろ。そっちに任せろよ。あーキルしたい。オンラインの対戦ゲームで、銃めっちゃ打ってキルしたいわ。

「お疲れ」

一部始終見ていた隣のデスクの先輩が、珈琲を淹れてくれた。嬉しいんだけど、手伝ってくれないかな

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