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ほんとうに暑い。
汗が流れてくる分、喉が渇くため、トレードカラーの赤の水筒がぐんぐんなくなっていく。
…なんだって高校で体育祭なんてあるんだよ…
ちょっとした木陰でためいきをつく俺。
しかも、生徒達はノリノリ。
俺が変なのか?
いや、ぜってぇこの学校がおかしい!
心の中でそんな悪態をつきながら、流れる汗をだらしなく服で吹く。
「暑そうだね、松野くん。」
「うわっ!」
突然声をかけられ、驚きながら木の後ろを見ると、ニコニコ微笑んでる高久。
まさかの人に正直びびって、そのまま固まる俺。
「えっ、めっちゃびっくりしてるんだけど!」
そう笑いながら俺の拳一つ分くらいあけた隣に座った高久。
状況に付いていけない俺はぼけっと高久の一連の動きを見る。
「は?高久、次二人三脚リレーじゃね?」
「そうなんだけど…」
かろうじて声に出した言葉を、なんとなくかわされた感じがしたので、もう一度声をかける。
「行かなきゃまずくね?」
「じゃあいこっ!」
「はっ!?」
高久はバッと立ち上がると、俺の手首をつかんで、入場門へとかけていった。
触れられている肌が熱い。
外の空気なんが涼しく感じるくらい、全身が熱い。
「お、俺、このあと騎馬戦あるから二人三脚出ない予定だったんだけど!!」
そう前を走る高久に大声をかけると、二人三脚に出る人でごったごえしている入場門の中にぐいぐい入っていて、聞こえていない様子の高久。
二人三脚って、二人三脚だよな…。
頭の整理が追い付かないまま足にリボンみたいな紐を結ばれる。
そこで俺は思ったことを聞いてみる。
「な、なんで俺?」
そういうときょとんとしたあと、照れ笑いをしながら
「だめ?」
と聞いてきた。
首をかしげながら言うもんだから、高久の2つにゆわいた髪が俺の肩に触れる。
それだけ距離が近い。
早まる心臓に、もうなんか自分でもよく分かんなくなって
「だめ、くない、です」
とかめちゃくちゃな事を伝えた。
「おおーっとぉ!?第二の障害物で転んだぁ!!すりむいているようです!!大丈夫かぁ!!」
そんなノリノリのアナウンスが流れて、皆がグラウンドに注目する中
ちかく向かい合ってしゃがんでいた。
何で俺なのか、元々のペアはどうしたのかは、もうどうでもよくなっていた。
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あるふぁ0(零) - 読んでいて幸せな気分になったり、展開が毎回面白いです。 更新楽しみにしていますね。 頑張ってください!! (2019年5月27日 14時) (レス) id: f5d5643549 (このIDを非表示/違反報告)
りっぴょん(プロフ) - リクエストなのですが、おそ松が自分以外の他の人とイチャイチャしている夢主を見て嫉妬するなんていう展開は作れないでしょうか!? お返事待ってます! (2019年4月22日 16時) (レス) id: c29b2a608c (このIDを非表示/違反報告)
りっぴょん(プロフ) - リクエストなのですが、おそ松が自分以外の他の人とイチャイチャしている夢主を見て嫉妬するなんていう展開は作れないでしょうか!? お返事待ってます! (2019年4月22日 16時) (レス) id: c29b2a608c (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - とても素晴らしい作品です!読んでいて胸がキュンキュンします。応援しています!これからも頑張って下さい! (2019年4月22日 13時) (レス) id: 928e00f70d (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - 初めまして。カラ松推しなのですが、おそ松兄さんのことも好きになりました(*^^*) 夢主ちゃんも少し天然だけど可愛らしいです♪ 更新頑張って下さい! 応援しています(^^) (2017年3月13日 12時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のちゅ | 作成日時:2016年1月30日 18時