#7 ページ21
あれからとにかく走った。
途中でたけみっちの意識が飛んでしまい、ドラケンがエマに電話をかけていたのをなんとなく覚えている。
みんなの動揺を察してドラケンは今日は解散とした。
後日、また集まって話をしようと。
少し時間が必要だと。
そのままわたしはまっすぐ帰宅した。
あれからずっと、
走っている時も帰って来る時もずっと、
あの光景が頭から離れない。
そして同時に思う。
あの時、一番近くにいたわたしはパーちんを止める事が出来たんじゃないかって。
ほんとに自分が嫌になる。
ブーブー
携帯が鳴る。
「A？」
『…三ツ谷、』
「ドラケンに聞いた。…平気か？」
『…』
「…」
『三ツ谷…』
「ん？」
『…何も、出来なかった。』
「…」
『一番近くにいたのに、止められたかもしれないのに、止められなかった。パーちんを置いていけないって思ったのに、置いてきちゃった。パーちんが長内を刺す程思い詰めてた事、気づいてあげられなかった…！』
「Aは悪くねぇよ。」
『でもッ、』
「全部パーは覚悟の上でやった。それに、気づいてあげられなかったのは俺らも一緒だ。」
『…でも、…』
「…パーは何か言ってたか？」
パーちんが言っていた事…
『マイキーにごめんって。ぺーやんに参番隊を頼むって。…自首するって。』
「うん。」
『…あと、わたしにもごめんって。東卍を、マイキーを頼む、って…。』
「…うん。」
……そうだ。
わたしはパーちんに頼まれている。
東卍と、マイキーを。
ずっと思い詰めてたパーちんに気づいてあげられなかった事。
悔やんだらキリがないけれど、
それと同時に考えなきゃいけない。
これからの事も。
『…三ツ谷。』
「ん？」
『ごめん、』
「謝るトコじゃねぇだろ？」
『…ありがとう。』
「おう。」
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年10月10日 9時
