#3 ページ17
「中坊相手にこの人数で奇襲。イメージ通りのくそヤローだね、長内くん。」
「あぁ？聞こえねぇよ！チビすぎて。」
(…気持ち悪い。)
そんな事を思っていたら長内と目が合った。
「お？姫いんじゃーん。こんな中坊共なんかといないでよぉ、うちに来いよ。可愛がってやんぜー。」
長内がそう言うとまわりの愛美愛主も沸き立つ。
視線がいっきにわたしに向くのを感じる。
わたしはその呼び名が好きじゃない。
誰がつけたか知らないけど、いい迷惑だ。
なんだ姫って。
…っていうか、
『気持ち悪い。話しかけないで。』
「ハハッ、気の強ぇ女は嫌いじゃねぇぞー。」
『…』
長内はわたしからたけみっちへ視線をうつす。
「おい！てめぇ何さっきからジロジロ見てんだよ。」
そう言って近づいたかと思えばそのまま殴り飛ばした。
「お前、今見下したな？」
何度もたけみっちを殴る長内。
そんな長内の腕をパーちんが止める。
「てめぇの相手は俺だよ、この野郎。」
「駄目だ、パーちん。愛美愛主と揉めちゃ…」
フラフラになりながらもまだパーちんを止めようとするたけみっち。
そんなたけみっちにパーちんが言う。
「引っ込んでろ。」
それでもまだ動かない体を無理に動かそうとしているたけみっちにマイキーが言う。
「たけみっち、黙って見てろ。これはパーの喧嘩だ。」
『…』
長内と向かい合ったパーちんは殴りかかるが、殴り返されてしまう。
その後も何度も顔にパンチを喰らうパーちん。
意識が飛びかかっているのを見かねたぺーやんが駆け寄ろうとするのをマイキーが止める。
「ぺー！黙って見とけっつったよな？」
「ごめん、マイキー…」
たけみっちが叫ぶ。
鼻も折れてるし、意識も朦朧としてるし、死んでしまうと。
止めましょうと。
『…』
わたしだって止められるなら止めたい。
割って入れるなら入りたい。
だけど、さっきマイキーも言ってたようにこれはパーちんの喧嘩だ。
ここにいる誰よりも悔しくて誰よりも愛美愛主を許せないパーちんの喧嘩だ。
それに、パーちんはまだ…
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作者名：Tmwixx | 作成日時：2022年10月10日 9時
