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まるで見ていたかのようなタイミングで、スマホが私を呼んだ。
パジャマでベッドに腰かけた瞬間だったので驚く。
画面を見れば、その呼び出しは河村さんからでさらに驚いた。しかも通話である。何事だ。
「も、もしもし……」
「こんばんは」
耳元で聞こえる河村さんの声に耐えかねて、スピーカーモードにして机に置いた。
「こ、こんばんは。どうしたんですか河村さん、電話なんて」
「特に深い意味はありませんけど。寝るところでした?」
「はい、ちょうどベッドに入るところで……タイミング良すぎてびっくりしてます」
「それは良かった」
「良かった、ですか……?」
「はい」
……無言。何を話すでもなく、通話中の時間表示だけが着々と増えていく。
「あの、ご用件は……」
「用件、というか。……ええと」
何かを言いたそうに口ごもった河村さんは、言葉にならない声を漏らす。
「あー、雨が降ってますね」
「……雨ですか?」
ようやく話題が降られたと思えば。そっとカーテンを開けば、確かに雨が降っている。
「あまり雨の音しなかったので全然気が付きませんでした」
しとしとなんて擬音が似合いそうな雨はあまりにも静かで、何だか少しだけ心細くなった。
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れのん - 短編集完結、お疲れ様です〜!!kwmrさんのお話もありがとうございました、とっても素敵でした…!!kwmrさんらしい優しさにドキドキしました…!!!長編も楽しみに待ってます!ありがとうございました!! (2018年10月16日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» こんばんは。コメントありがとうございます! 続きが遅れまして申し訳ないです。とても楽しいリクエスト、嬉しかったです。最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2018年10月16日 22時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 更新ありがとうございます〜〜!!現段階でもすごくドキドキします……!!続き待ってます!! (2018年10月12日 23時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
れのん - 三星さん» ありがとうございます!!いつまでも待つのでゆっくり更新なさってください。 (2018年10月10日 21時) (レス) id: 90e7c9629e (このIDを非表示/違反報告)
三星(プロフ) - れのんさん» れのんさんこんばんは。コメントありがとうございます〜〜。嬉しいお言葉、幸せです。kwmrさんのリクエストもありがとうございます。次回更新時に書きますのでお待ちいただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いします〜〜 (2018年10月10日 17時) (レス) id: 49fd1affdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三津 | 作成日時:2018年9月14日 17時